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東京競売ウォッチ

2014年2月18日

第218回 都心一等地のマンション

 中古マンション市場が沸いている。三井不動産リアルティが市場最高益を記録するなど、大手不動産流通各社は高収益を上げている。

 こういった市場では売り物件の確保が業績の鍵を握るだろう。特に都心一等地の物件は需要が強く、売り物件確保は厳しさを増していることだろう。

 競売市場で落札された都心5区所在のマンションは一昨年(2012年)208戸あったが、昨年(2013年)は177戸に減少している。

 データからは都心一等地のマンションが競売以前での任意売却がなされる割合の高いことが窺える。

 そんな中、1月30日では都心高級マンションの代表格であり、相場のベンチマークとも言われる渋谷区広尾所在の「広尾ガーデンヒルズ」が開札対象であったが、開札2日前に取下げられた。

 この日、都心5区所在の入札対象マンションは全部で6物件あったが、そのうち半分の3物件(先述の広尾ガーデンヒルズを含む)が開札日前に(おそらく任意売却により)取下げになっている。

 特に億ションが多い港区に絞ってみると対象物件の減少が顕著で、この日も港区白金所在マンションが取下げられ、結果的に港区所在の競落マンションはゼロとなった。

 この日の一番人気は板橋区(「要町」駅徒歩約8分)所在の築13年で1Kのマンションで、入札48本を集めた。都心物件からあふれた入札が都心周辺部に流れているように見える。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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