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東京競売ウォッチ

2025年02月11日

第731回 亀戸の戸建てが25年最初の一番人気

 2025年最初の東京地裁本庁の開札は1月22日であった。この日の一番人気は入札24本を集めた亀戸7丁目の戸建てであった。昨年、住宅の競売物件は圧倒的にマンションの数が多かった。さらに築20年以内に分譲された一戸建ては少ない。近年オープンハウス社などが販売してきた1次取得者層向けの戸建ての住宅ローン破綻競売は昨年まではかなり少なかった。

 そんな中1月22日開札では2007年に分譲された新築戸建てが、住宅ローン破綻により競売に付され対象物件となった。その戸建てはJR総武中央線「亀戸」駅から徒歩約13分の立地で、土地は私道面の約15坪、建物は築18年の木造3階建ての延床面積約25坪という内容である。新築時に3800万円超の住宅ローンを利用して現所有者は購入している。しかし2年ほど前から地方税の滞納が生じ、差押えがなされ始め、遂に住宅ローンも延滞が続き債権者から競売申立てをされた。おそらくは任意売却による返済も試みられたものの、租税の延滞が嵩んでいたこともあってうまくいかなかったのだろう。

 さてこの戸建ての売却基準価額は2223万円であったが、これに対し前述のように24本の入札が集まり、最高価4358万円強にて再販業者と思われる会社に落札された。今年は金利の上昇が予定されていることで、ここ20年くらい大量に供給された分譲住宅の住宅ローン破綻の競売が増加する可能性もありそうだ。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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