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東京競売ウォッチ

2026年04月21日

第788回 台東区ビルに51本の入札

 4月8日開札では台東区内、都営大江戸線「新御徒町」駅徒歩7分に立地する事務所兼居宅兼倉庫のビルに今年最高51本の入札があった。このビルは土地が南側で幅員6m、西側で幅員6ⅿの公道に面する角地で広さは19坪ある。そこに築39年の鉄骨造5階建で延床面積約66坪のビルが建っている。この建物の1・2階は事務所、3階から5階が住居の仕様である。

 この物件の売却基準価額は6441万円であったが、競落された最高価は2億500万円強であった。実に売却基準価額の3.2倍弱という高上乗せ率での競落であった。評価書では建物の評価額を約1700万円としていたが、そうとすると競落価格のうち土地相当額は1億8800万円になる。

 それは坪単価で約990万円になり、相続税路線価の坪271万円の約3.65倍に相当する。これだけの高水準ではこのビルからの賃貸収益では表面利回りは年4%程度で魅力が薄いように思った。しかし競落会社の社名を見て得心した。競落した会社はトランクルームを運営する会社と思われる。

 それであれば、現状の建物はトランクルームに転用しやすい構造と考えられ、収益性は通常に事務所や居宅で賃貸するよりかなり高くなりそうである。現在の建物を上手く利用できる入札者には他の入札者は敵わない。都心のトランクルームは新築マンションが価格高騰により専有面積が小さくなっていることからもニーズは高まっていることが強気の入札になったようだ。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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