リアナビ

スペシャリストの眼

東京競売ウォッチ

2009年11月9日

第16回 人気エリアの1Rの実質利回り

 マンションへの大量入札状況が定着しているが、その中でも収益向けワンルームマンションについてはファミリータイプより過熱感がなかった。しかし、このところワンルームタイプにも、物件によって結構多くの入札があるようになってきた。

 10月30日開札では、西武新宿線「上石神井」駅徒歩7分に立地する築21年で、専有面積約7.2坪のワンルームが開札対象となった。この物件はサブリース会社に月額6.5万円にて賃貸しており、転借人が占有している。管理費等及び固定資産税等を差し引いた実質収入は年52万円弱である。この内容で売却基準価額は338万円であったが、結果は14本の入札が集まり、最高価600万円で落札された。

 前回22日の開札でも、地下鉄丸ノ内線「方南町」駅徒歩2分に立地する築22年の物件にも、29本の入札が集まっている。この物件の売却基準価額は486万円であったが、競落価格はその80%近い上乗せの856万円であった。この物件には、賃借人が最先の賃借権によって月額8.1万円にて賃借中である。管理費や固定資産税等の経費控除後の実質収入は約82万円であるところから、競落価格は年利10%をやや下回る水準である。

 収益型ワンルームマンションは築20年程度で、比較的人気あるエリアに立地していた場合、実質年利回り9%程度が競落目線となっている。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


BackNumber

コラム一覧

山田純男 東京競売ウォッチ

2024年05月14日



Copyright (c) 2009 MERCURY Inc.All rights reserved.