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東京競売ウォッチ

2009年8月31日

第6回 一戸建ての入札状況にも変化

 8月6日開札では、大量入札の記録更新になったマンションが出現したが、 一方で一戸建ての入札状況にも変化が表れてきた。

 この日、東急世田谷線「世田谷」駅徒歩8分に立地する一戸建てに38本の 大量入札があった。この物件は土地が西側で幅員6mの公道に面する約22坪。 建物は築5年強の木造3階建て、延床面積約34坪の居宅という内容で、 売却基準価額は3,204万円であった。

 これに対し、入札結果は最高価5,275万円で、業者が落札していった。 この水準は路線価が1坪150万円弱であるので、仮に建物を1坪30万円で評価すれば、 土地については1坪190万円超と路線価の約1.3倍で落札されたことになる。 建物が新しく、再販しやすいということもあるが、競落水準が上がってきた感がある。

 またこの日、田園調布4丁目で同じく築5年強と新しい一戸建ても開札になったが、 こちらも29本と多くの入札を集めた。土地は南東側で幅員9m強の公道に面した約50坪で、 建物は木造2階建て、延床面積約39坪という内容で、売却基準価額が6,133万円であった。 入札結果は最高価1億1,010万円にて個人が落札していった。

 この水準は先の物件と同様に、建物を坪30万円にて評価すれば、土地の落札水準は坪200万円弱であり、 これは路線価の13%上乗せ程度である。やはり、1億を超える高額物件であることから、業者の入札は いまだ弱気な側面もあり、個人落札になったのだろう。

 しかし、マンションの競争激化もあってか、明らかに高グロスの一戸建てにも再販業者の応札が増加しだしているようだ。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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