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東京競売ウォッチ

2026年03月31日

第785回 西麻布の1Rに48%上乗せ競落

 建築費の高騰がこのところかなり話題になっている。材料費の値上がりや人件費の上昇が原因であり、将来的に低下する見込みは無く、さらなる上昇が予想されている。これにより各地の再開発事業計画が遅延や中止が多発している。加えて新築マンションの供給もかなり制限されるだろう。そんな中で3月11日開札では東京メトロ日比谷線「六本木」駅徒歩10分に立地する専有面積約6.3坪のワンルームマンション(「メインステージ西麻布」)が開札対象になった。

 築26年経過したこの物件には賃料月額8.4万円の最先の賃借人(競落人の承継が原則)が専有している。管理費等や固定資産税等を差し引いた実質収入は年76万円強であり、この収益に対して売却基準価額1807万円と承継対象の滞納管理費等約44万円の合計額約1850万円は年4.1%の利回り水準となる。

 売却基準価額は利回りから考えると高いように思えたが、競落価格はその売却基準価額の48%上乗せの2602万円であった。滞納管理費等を加えた総投資額約2646万円(専有面積坪単価420万円)が総投資額となる。従ってこの競落価格での実質利回りは年2.8%程度で低く感じる。

 しかし今の賃料の上昇傾向から考え、賃料値上げも見込める。そして何より今の建築費と土地相場から推すと新築ではおそらく6000万円(専有面積坪単価1000万円)にはなってしまうことからこの競落価格でも十分リーズナブルと言えるのだろう。建築費高騰は競売マンション競落価格上昇につながっている。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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