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東京競売ウォッチ

2019年1月22日

第446回 2018年の東京地裁総括①

 今週から2週は2018年の東京地裁の開札結果の総括を行いたい。

 まずは全国の競売新規申立件数であるが、一昨年は前年比で約6.55%減少した。これで2010年から8年間連続での減少になる。ただ減少幅は縮小し、福岡高裁管内は逆に36%以上も増加している。(図表1参照)また東京地裁本庁についても僅かながら増加した。

 また競落率は依然水準は高いものの、こちらも僅かに減少した。(図表2参照)どうやら2018年は東京地裁競売市場の転換年であったようだ。2018年春ごろから新規競売申立て件数も多くなってきており、今後対象物件数の増加傾向が続くだろう。

 こういった現象は都心を中心とした不動産価格高騰に天井感が出ているからかもしれない。

 ちなみに2018年1年間で最高入札本数77本を集めたのは東京メトロ銀座線「田原町」駅徒歩約2分に立地する土地付建物であった。この物件の住所は台東区雷門1丁目で、ホテル立地として優れていることでこれだけの人気を集めた。22坪の土地で、売却基準価額の3.6倍、1坪単価520万円で落札された。この事例もホテルブームの昨今を反映したものと言えよう。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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