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東京競売ウォッチ

2019年3月26日

第455回 板橋区のワンルームが高上乗せ率で競落!!

 3月12日開札では都営三田線「板橋区役所前」駅徒歩約2分のワンルームマンションが売却基準価額の約1.9倍で落札された。マンションとしてはかなり大きい上乗せ率であったが、競落した会社、そして次順位の会社とも市販業者であることからマージンを見込んだ上で換金できる物件なのだろう。

 そのワンルームは専有面積約6.3坪で、築13年で対象住戸は9階に位置している。現在のテナントは月額6.9万円の賃料と月額5000円の管理費で月額7.4万円、年額で88.8万円の条件で賃借している。オーナー負担の管理費・修繕積立金は月額13820円、これと固定資産税等が3.95万円を考慮するとオーナーの実質手取りは約68万円になる。

 この物件の売却基準価額は764万円であったが、これに対し最高価は1465万円強である。競落価格ベースでは実質年4.6%の水準である。依って投資家への再販は年4%レベル、売値にして1700万円レベルと思われる。この水準で売却するためには投資家への購入ローンの斡旋力のある会社でないとスムーズには再販が出来ないように思う。もちろん投資家のストックも無ければならないだろう。ここのところ築浅ワンルームはファイナンス力、販売力の強い会社がほぼ寡占的に競落している。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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