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東京競売ウォッチ

2011年3月14日

第82回注目される相続税改正

 今年の税制改正で注目されるのが相続税である。課税対象者が大幅に広がり、相続税は大衆の税金となりそうである。

 これを受けて、巷では相続対策セミナーが盛況のようだ。さらに、投資用マンションの投資セミナーも、相続税の節税ニーズにからみ、賑わっていると聞く。競売市場においても、この辺の影響があるかもしれない。

 その例かどうかは不明だが、3月1日開札で墨田区のワンルームマンション2部屋が、高い上乗せ率で個人に競落されていったことに目を引かれた。

 それは東武亀戸線「東あずま」駅徒歩約1分に立地する専有面積約5.7坪で、築20年のワンルームである。この物件には月額68,000円にて賃借人が付いており、管理費、固定資産税等を差し引いた実質年収は約65万円である。

 結果は入札18本あって、売却基準価額391万円に対し、その約85%乗せの最高価725万円強で個人が落札した。年実質利回り約9%の水準である。

 そして、同じマンション内でもう1部屋、専有面積約6.4坪の部屋も売却対象であった。こちらの部屋は空室あったが、入札14本が集まり、売却基準価額367万円に対し、やはり725万円強で同一の個人が落札した。今年は個人の投資用マンションへの入札は増加していきそうだ。

 また、比較的人気薄だった城東地域のワンルームも最近、東京スカイツリー効果などもあってか、従前より入札が多い感じがする。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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