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東京競売ウォッチ

2021年5月11日

第551回 旧耐震マンションが一番人気!!

 4月21日の東京地裁の開札では開札対象物件が20件を下回る15件という少なさであった。これは本欄の週刊住宅新聞時代を含めてもおそらくは最少であった。コロナ禍による裁判所の業務停止期間の影響を受けた可能性がありそうだ。この結果は潜在的な競売物件が胎蔵されていると言うことかもしれない。アフターコロナにおいてその分が一挙に出てくることになりそうだ。

 さて競売市場でのマンション市場で多くの入札を集める人気マンションは新耐震基準の物件であるが、4月21日開札では、旧耐震基準のマンションが一番人気となった。その物件はJR京浜東北線「蒲田」駅徒歩約5分に立地する。昭和54年3月築と、築後42年を経過する総戸数59戸のマンションである。対象の住戸は専有面積約16坪の3DKで1階部分のため専用庭が付帯する。所有者が占有しており滞納管理費等が200万円近くある中、売却基準価額は918万円に設定されていた。

 これに対し入札は27本あり、最高価2057万円で再販業者が競落していった。競落会社はリフォーム代などを考慮すれば再販価格3000万円を睨むだろう。これは専有面積坪当たり190万円弱に相当するが、現在の中古マンション相場では十分あり得る水準なのだろう。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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