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東京競売ウォッチ

2017年7月25日

第378回 蔵前の1LDKが上乗せ率100% マンション高値続く

 7月6日開札では、都営浅草線「蔵前」駅徒歩4分に立地する1LDKで、専有面積約12坪のマンションに42本の入札が集まり、売却基準価額の2倍超で再販業者に競落されていった。その物件は、築7年弱と新しく、14階建ての12階部分と、条件が良かった。また所有者占有で、空き家状態にあることも、再販業者にとって入札価格を強気にさせたようだ。

 売却基準価額1579万円に対し、競落価格は3160万円で、専有面積1坪単価260万円超の水準であった。実は現在同じマンション内の住戸が販売中である。その住戸は13階に存する1DKで、専有面積9坪強、2650万円が販売価格で、1坪専有面積単価は290万円弱である。これを考えると、今回の競落価格では、競落業者の再販マージンは10%未満になる可能性もあるだろう。それでもこの水準で競落しているのは、中古マンション市場が好調であることがその背景にありそうだ。ただ同じ日に競落されたマンションでも竹ノ塚に存する物件については売却基準価額の11%上乗せで競落されている。

 マンションも強気で売れる物件とそうでない物件の2極化が鮮明になっているということであろう。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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