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東京競売ウォッチ

2015年9月1日

第290回 堅調な中古マンション市場

 中古マンション市場は変わらず都心物件を中心に取引堅調のようだ。8月6日でも対象マンションのすべてが落札されていった。その中で1番人気となったのが、西武新宿線「中井」駅徒歩約5分に立地する、専有面積約24坪の2LDKの部屋であった。この物件は築12年と比較的新しく、東南の角部屋で、しかも大きなルーフバルコニーが付帯している。

 条件が整っているマンションであることから、45本もの入札があった。落札価格は売却基準価額3,385万円に対して、それに約8割を乗せた6,060万円であった。滞納管理費等のコストを考慮すれば6,300万円程度になり、専有面積坪単価は260万円超になる。レインズの売却物件登録を見ても、これほど高額な事例は登録がない。まさに新築物件が近隣で売り出された場合を想定し、その予想価格を基にした再販価格設定になりそうだ。

 またこの日、つくばエクスプレス「青井」駅徒歩約9分に立地する3LDKのマンションに35本の入札があった。

 これまで足立区の物件には、これほどの大量入札がある物件は少なかったが、つくばエクスプレスという沿線の魅力が入札を呼んだようだ。この物件は築20年で、売却基準価額が1,228万円であったが、落札価格はそれに対し5割超上乗せの1,864万円強であった。

 なお、この物件は空室状態であり、商品化が早いのも入札を集めた理由であろう。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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