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東京競売ウォッチ

2021年11月23日

第578回 西馬込の更地が一番人気!!

 競売市場において更地物件は少なく、1回の開札で対象ゼロという日がむしろ多いくらいである。更地は占有排除の必要は基本無いが、多くの場合境界標が無いなどから再測量を要することが多く、またセットバック面積もはっきりしないケースがある。

 11月4日では都営浅草線「西馬込」駅徒歩約5分に立地する更地が競売対象になった。登記簿上の地積は約43坪であるが、その中には私道(42条1項5号)の面積が一部含まれる。対象土地は北側で幅員6mの公道に面しているものの、西側は先の位置指定道路となっている。

 現況調査報告書と評価書を見ても道路状となっている面積は判然としない。対象土地の西側辺長が約13mであることから約26㎡(約8坪)程度は道路状かと推測される。となれば有効宅地は35坪ほどであろう。対象土地の前面路線価が1坪約130万円であることから取引相場は1坪200万円程度ではなかろうか。

 となると7000万円が流通価格となろう。そんな対象土地の売却基準価額は3778万円であったが、これに対し入札は23本入り最高価7862万円にて不動産会社が落札していった。どうもこの落札結果を見ると相場がもっと上なのであろう。もしくは土地を分割して建売にすることでより売り上げを期待できるのかもしれない。しかし、それにしても高水準の競落に感じた

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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