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東京競売ウォッチ

2010年8月16日

第53回今年2番人気の68本

 7月27日開札では、今年2番人気の68本の入札があった物件があった。それは中央線「高円寺」駅徒歩4分、商店街の中の小さな店舗物件である。築40年近い木造2階建て、土地は13坪ほどの狭小地で、間口は4mしかない。店舗面積は1、2階とも11坪強で、2階はお好み焼き屋さんが最先の賃借人として、月額15万円の賃料で借りている。売却基準価額は1,065万円であったが、落札価格は4,500万円と、その4倍を超える金額であった。おそらくこの上乗せ率は今年に入って1番ではないかと思われる。

 確かに、1階の賃料は月額坪単価が2万円以上であろうから、それを考えれば、投資利回り年10%程度の取得なので、この入札水準は考えられないでもないが、それにしても、ずいぶんと大量の入札かつ高額落札ですある。路面店舗、とくに繁華性の高い商店街における物件は古くても多くの投資家の目に止まるのだろう。

 またこの日、小田急線「代々木八幡」駅徒歩7分に立地する築37年の専有面積約27坪のマンションが開札となったが、古い物件にもかかわらず、入札は20本集まり、売却基準価額1,876万円のところ、その2倍を超える4,124万円にて業者が落札していった。

 先の高円寺にしても、このマンションにしても、建物が古くても、立地の魅力が多くの入札を呼ぶ。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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