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東京競売ウォッチ

2025年01月14日

第728回 2024年東京地裁競売市場の総括

 昨年2024年は東京地裁本庁の競売開札対象物件は表1のとおり492件で前年比49物件(9.06%)減であった。これで2009年にリーマンショックで前年比50%超増加し2948件となったのを頂点に15年連続で前年比減が続いたことになる。ただし減少幅は10%未満と急減した。(昨年は22%強の減少)いよいよ下げ止まりに近づいた感がある。

 表2は1都3県の競落物件数であるが、これによれば、東京都、埼玉県はわずかに減少したものの千葉県、神奈川県では反転して増加している。また再び表1を見ると落札率が僅か1%未満ではあるが減少しており、10本以上の入札物件は全体の対象物件減少幅より大きく約16%減少している。

 また表3は落札価格の売却基準価額に対する上乗せ率であるが、これによれば昨年は1昨年に対し全体、そしてすべての物件種別において低下した。以上から2024年の競売市場はそれまでの過熱感から折り返したと言えるだろう。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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