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東京競売ウォッチ

2021年6月15日

第556回 都心マンションの評価書大幅上乗せ!!

 都心6区の中古マンションの売買価格の平均がこのコロナ禍にもかかわらず平均9000万円の大台を突破している。都心マンションの億ション化が続く中、東京地裁でも都心マンションの評価について市場価格補正を大きく行う例が増加している。

 5月19日開札の白金のマンションについても市場価格補正がなされていた。その物件は東京メトロ「白金高輪」駅至近の「白金タワー」である。築6年で42階建のタワーマンションの21階部分の2LDK専有面積約28坪である。このマンションの売却基準価額は1億4200万円であったが、これに対し入札は18本入り最高価1億5699万円で競落されていった。

 この競落結果を見ると競落価格の売却基準価額への上乗せ率は10.5%であり、さほど大きな上乗せ率ではない。しかし売却基準価額設定にあたり、市場価格補正として20%、さらに個別補正(住戸位置階数、住戸向き、景観など)が11%あり、合計で33%超になっている。

 もし市場価格補正等がなければ売却基準価額は1億800万円程度になっていたであろう。とすれば競落価格の売却基準価額上乗せ率は45%程度だったことになる。

 ちなみにこのマンション、成約価格は住戸位置中程度で専有面積坪単価が600万円くらいであり、本対象マンションで言えば成約価格予想は現時点で1億7000万円弱かと思われる。ただ競落価格を鑑みるに、競落会社は今後のマンション相場を強含みと見て、これを超える成約価格を狙う考えであろう。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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