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東京競売ウォッチ

2019年10月22日

第483回 浅草のコンパクトマンションが一番人気!!

 10月10日開札では浅草エリアに立地する1LDKのマンションが一番人気となった。その物件は都営浅草線「浅草」駅徒歩約4分に立地する。この部屋は5階に位置し専有面積は約14坪で平成20年9月に竣工した比較的新しい物件である。売却基準価額1488万円に対し入札はこの日一番の28本が入り、最高価2980万円弱で再販目的と推定される会社に競落されていった。

 ちなみにこの物件と同じ広さで同じ間取りながら違う階に存する部屋が現在売却中のようで、価格は3390万円となっている。ただし、この売却中の物件はオーナーチェンジ、つまり賃借人付での販売である。賃料は年間約166万円で、管理費等を差し引いた実収は年間約135万円程度と考えられるので実質利回りは年約4%の水準である。

 ところで今回の競売対象は所有者占有であるため、競落後は空室にて販売ができる。おそらく競落会社としては現空で住宅ローンも使用できる実需用として販売できるため販売中のオーナーチェンジマンションより1割以上の値付けで販売できると考えたのであろう。それであれば滞納管理費等(約30万円)、内装リフォーム費を考慮しても再販利益が取れる。いずれにしろインバウンド好調を背景に浅草エリアは人気が高くなっており、投資ニーズも見込めるということで大量入札があったということもあろう。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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