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東京競売ウォッチ

2026年06月16日

第795回 空き家問題解消に競売寄与

 空き家問題は地方だけでなく東京23区内でも生じている。その原因の一つに所有者死亡による相続により多くの共有者が生じ、共有者全員の不動産処分について合意ができないため、ということがある。特に共有者の住所が国外になってしまい、容易に意思疎通ができなくなっている場合などはこれに陥りやすい。

 そこで、共有者の一人が共有物分割請求訴訟を提起し、申立て人以外の共有者に法的連絡手段を講じたところで、判決を得て対象不動産を競売に付することで結果として共有者全員に金銭による分配ができる。6月3日開札で一番人気となった物件がまさにこの共有物分割請求訴訟由来の競売(ケ事件で形式競売と言う。)であった。

 対象物件は東急田園都市線「用賀」駅徒歩約9分に立地する。土地は西側で幅員約6m、北側で幅員約4ⅿの公道に面する角地で広さは約49坪である。建物は古家と言ってよい木造アパートで空き家状態にある。この物件の売却基準価額は1億1040万円であったが、これに対しこの日一番の28本の入札があり、最高価1億7703万円にて競落されていった。

 1坪約360万円での競落であった。土地上の古家(アパート)の解体費を考慮して、1坪370万円で競落会社は入手したと言える。近隣のマンションの相場は築10年くらいでは専有面積坪単価600万以上することを考えれば、比較的に安い水準かもしれない。空き家問題解消に貢献する競売制度である。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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