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東京競売ウォッチ

2018年7月3日

第420回 バブル時代のホテル分譲物件に入札11本!!

 6月21日開札ではかつてバブル経済時代急成長したライベックス社が手掛けた分譲ホテル(新宿歌舞伎町2丁目所在ビー・アンド・ビー新宿、昭和61年11月築)が対象になった。この会社は平成4年にバブル経済崩壊とともに倒産したが、ホテルは継続して現在まで運営されている。競売対象となったのはこのホテルの1室(2階部分)の共有持分(10分の1)であった。共有者には年2回賃料分配金が支払われている。現在のところ年2回合計8万円で、ここから固定資産税等負担金や管理組合の組合費が差し引かれ7.4万円弱が実質の1年間の手取り金額になっている。このホテル1室共有持分の売却基準価額は69万円であったが、これに対し11本の入札が集まり最高価125万円にて競落された。競落したのは高級賃貸マンション仲介で有名なケンコーポレーションであった。

 どうやら同社はこのホテル分譲持分を買収しているようで、ホテル運営のイニシアティブ確保を図っているように思う。競落価格は年6%弱の利回りは確保されてもいるので投資効率も悪くはない。さて、この日の入札本数は386本で落札1物件に対する入札本数は10.4本と昨年平均より3割くらい低い水準である。物件数の減少や高い競落水準が続き入札参加者が減少しているようだ。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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