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東京競売ウォッチ

2020年4月7日

第505回 浅草の中古マンションが一番人気!!

 築浅都心立地の中古マンションの人気が上昇している。これを背景にここのところ競売マンションの評価書では価格補正として積算手法で算出した価格に一定程度の価格上乗せを行っているケースが多くなっている。

 3月12日開札ではつくばエクスプレス「浅草」駅徒歩約11分に立地する築2年強の築浅マンションが一番人気となった。専有面積約19.5坪の2LDK であり、所有者居住で滞納管理費も昨年11月時点ではゼロである。

 このマンションの評価書を見ると売却基準価額算出にあたり積算価格に対し30%をプラスする価格補正を行っている。そして売却基準価額3312万円が設定されたが、結果として当日最多の23本の入札を集め最高価4927万円にて再販業者と思しき会社が競落している。

 専有面積1坪単価にして約252万円の水準である。レインズの成約事例を見るとここ最近の成約ベースで近似の立地、築年のマンションを見ると専有面積坪単価約280万円くらいである。とするのであれば本物件は総額で5500万円弱と予想される。

 この予想に沿うと競落会社の再販マージンは対原価(競落価格+登録免許税・不動産取得税+明渡費用+内装修復費など)で5~7%と低めである。

 競落者としては相場の上昇も期待して入札価格を強めに設定しているように思う。建築費の高止まりや新築マンション供給の減少が好立地中古マンションの相場を押し上げるとの見立てであろう。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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