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東京競売ウォッチ

2009年9月28日

第10回 低グロス郊外物件も競争激化

 競売への注目度が最近増している中、競落水準は確実に上昇している。

 とくにマンションに関しては、これまで大量入札を集めてきたのは人気エリアの物件が中心であったが、 このところは郊外かつ足回りが悪い物件にまで多くの札が入るようになってきた。

 9月17日開札では、東武伊勢崎線「竹ノ塚」駅徒歩18分に立地する築20年の専有面積約21坪、3LDKの マンションに15本もの入札が集まったのに目を引かれた。この物件の売却基準価額は902万円であったが、 落札価格は約4割上乗せの1,253万円であった。

 また、同じく足立区のマンションで、つくばエクスプレス線「六町」駅徒歩21分に立地する専有面積約19坪で 3DKのマンションにも16本の入札が集まり、売却基準価額986万円のところ1,363万円にて落札されていった。

 これまで、こういった物件への入札は1ケタ台の入札本数であったが、ここへきて明らかに増加している。 競落水準から再販利益を推して考えると、10%未満ではないだろうか。

 ちなみに、この日一番人気で大量50本の入札を集めたのは日比谷線「入谷」駅徒歩4分の下町エリアに立地する 築10年の2LDKのマンションであった。競落価格は2,000万円以下であったが、こうして見ると新耐震以降築、 低グロスの一次取得者向けマンションは立地に関わらず、ますます取得競争が激しくなっているようだ。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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