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東京競売ウォッチ

2015年2月3日

第263回 2014年の市場分析(下)

 今週も東京地裁競売市場について、昨年の総括した上で今年の展望を記したい。表1は売却基準価額に対する落札価格の上乗せ率である。これを見ると、2014年はマンションの競落価格の水準がかなり高くなったのがわかる。中古マンション価格の上昇を受け、再販業者の強気の競落が続いた1年であった。

 また、借地権付建物についても上乗せ率を大きく上昇させた。これは対象物件の減少を受けて、再販業者が借地権付建物も仕入れ対象を広げた結果であろう。

 続いてグラフ2は、落札1物件当たりの入札本数の推移を表わしたものである。これによれば、平成26年(2014年)下期には16本を超える値を示し、リーマンショック後、低下した平成20年(2008年)下期の3倍もの競争度になっている。

 さて、続いて今年の競売市場を予想してみる。まず競売入札対象件数であるが、先行指標である最近配当要求終期の公告件数から推量すると、少なくとも6月あたりまでは、2014年を下回ることになろう。

 したがって、当分の間、少数物件の争奪戦になりそうだ。ただ一方で競落価格水準については、ここ最近の不動産業業況からすると、低下することも予想される。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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