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東京競売ウォッチ

2010年11月22日

第67回ファミリーマンション

 ファミリーマンションへの大量、高額入札が続いている。11月9日開札でも、JR常磐線「綾瀬」駅徒歩約12分に立地する築12年の3LDKの部屋に40本の入札があり、売却基準価額の2倍弱で落札されていった。

 しかし一方でこの日、田園調布の一戸建てが開札になったが、落札価格が売却基準価額を下回った。その物件は「田園調布」駅から徒歩約12分にある。土地は南西、南東側でそれぞれ幅員6m、4.3mに面する角地で、面積は約100坪ある。建物は築13年の木・鉄筋コンクリート造2階建て、延床面積約70坪であった。

 この物件の売却基準価額は1億4,013万円であったが、これに対し入札は6本で、落札価格は1億3,600万円であった。ちなみに、この土地の今年の路線価は坪122万円強であるので、落札価格は土地路線価評価に10%も上乗せされていない。高額グロス物件にはマンションと相異して、強気の入札はないようだ。

 またマンションであっても、この日、決して築古ではないものの、特別売却に回った物件があった。それは、都営大江戸線「中井」駅至近のワンルームマンションであった。築19年、専有面積約5.5坪で、売却基準価額が548万円(買受可能価額438.4万円)であったが、応札がなかった。これは、この物件が風呂のない、事務所仕様であったからであると思われる。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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