リアナビ

スペシャリストの眼

東京競売ウォッチ

2018年11月27日

第440回 一等地の高額入札は依然続く!!

 先週は、個人に対する不動産投資ローンが引き締まりワンルームマンションの価格に影響を及ぼしている例を紹介したが、都心一等地については様子が違うようだ。

 11月8日開札で港区高輪3丁目に所在する土地建物にこの日一番人気の37本の入札が集まった。この物件は都営浅草線「高輪台」駅から徒歩約3分にあり南側で幅員約5mの公道に面する約32.5坪で建物は築17年の鉄骨5階建で延床面積が約112坪ある。この物件の売却基準価額は1億1244万円であったが、先述の通り37本の入札の結果最高価3億5000万円にて競落されていった。競落者は外国人と思われる個人であった。売却基準価額の3倍を超える競落水準には驚いた。ただ港区の土地付建物が本年これまでに無かっただけに希少性も手伝ってこのような高水準競落になったのかもしれない。

 ちなみにこの物件の正面路線価は1坪330万円であるが競落された物件の建物評価額8000万円とみた場合土地は1坪830万円相当となり路線価の約2.5倍程度になる。都心一等地の特に土地付建物においては不動産融資の引き締めは相場にあまり影響をしていないように思われる。特に海外富裕層などの資金流入が東京で名の通った地域には引き続きなされているのだろう。この日2番人気で36本の入札を集めたのも土地付建物でその立地は文京区千石であった。こちらは建物が古く再販業者が競落した。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


BackNumber


Copyright (c) 2009 MERCURY Inc.All rights reserved.