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東京競売ウォッチ

2020年5月19日

第510回 東京地裁、入札・開札を緊急事態宣言で中止!

 東京地裁では新型コロナウイルス緊急事態宣言によって競売の入札・開札については
① 4 月9 日から同月16日迄
② 5 月7 日から同月14日迄
③ 5 月21日から同月28日迄
④ 6 月4 日から同月11日迄
⑤ 6 月18日から同月25日迄
以上の入札期間の事件については実施しないことになった。

 200物件程度が滞留することになる。これだけ溜まった分をどう処理をしていくか、またさらに7月の開札分まで実施されないことになるのか不明である。いずれにしろ不良債権処理が機能しなくなっているので金融セクターへの影響は甚大であろう。

 また入札・開札だけではなく競売そのものの申立てについても申立ては受け付けるものの、その後の事務処理については当分行われないようだ。この点からも金融業界については厳しい状況と言えそうだ。

 もちろん加えて裁判所自体の機能も一部停止していると思われるので、不動産以外の債権回収などにも大きな影響を及ぼしていると見られる。また借り入れている債務者側も売上げの低迷などから返済に窮する状況が生じているものと思われ、このままの状況が続けばいずれ政府の借入金返済の一時休止(モラトリアム)政策も必要になるだろう。早期経済活動の再開が望まれる。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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