リアナビ

スペシャリストの眼

「斜め45度」の視点

2024年07月02日

第425回 日本と台湾が築き上げた『地震時にお互いを助け合う関係』

その3---「2024年4月台湾東部沖地震」 細野透(建築&住宅ジャーナリスト)

[■■]台湾で大地震が発生

 2024年4月4日、台湾で大地震が発生しました。震源は台湾東部沖で、M(マグニチュード)は7.4~7.7、震源の深さは23kmと推定。台湾東部の花蓮県では震度6強、北部の台北市や新竹県、中部の台中市では震度5弱の揺れを観測したそうです。

■この地震に関して、NHKは4月7日付で、次のように報じました。

 「台湾東部沖地震 13人の死亡確認 捜索続く 自宅壊れ生活不安も」

 台湾の東部沖で起きた地震では、これまでに13人の死亡が確認されたほか、落石のあった渓谷の周辺で行方がわかっていない人の捜索が続けられています。

 今回の地震では、建物の被害も多く出ていて、自宅が壊れ、住む場所をなくした人などが、今後の生活に不安を募らせています。

 台湾の東部沖で今月3日に起きた地震では、震源に近い花蓮県にある、台湾有数の景勝地、太魯閣渓谷の周辺で捜索活動が続いています。

 また、台湾全土で830の建物が損壊するなど大きな被害が出ていて、自宅が壊れ住む場所をなくした人たちも多くいます。

 台湾の中央気象署によりますと、今月3日の地震のあと、日本時間の6日午後4時すぎの時点で、体に感じる地震があわせて619回観測されたということです。このうち、「マグニチュード6以上7未満の地震」が2回、「マグニチュード5以上6未満の地震」が22回、「マグニチュード4以上5未満の地震」が196回などとなっています。

(画像はNHK「災害列島 命を守る情報サイト」から引用)

 そして極めて最近、すなわち2024年4月3日には、台湾の東部沖を震源とするM7・2の地震が発生しました。

 『ロイター』は次のように速報しました。台湾で3日午前、東部沖を震源とするマグニチュード(M)7.2の強い地震が発生した。震源に近い東部の花蓮では7段階中2番目に強い「震度6強」を記録。当局は9人の死亡を確認し、821人の負傷者が出ていると明らかにした。また、バスで国立公園に向かっていた50人と連絡がとれなくなっているという。

 『消防当局』によると、花蓮では77人がトンネルや倒壊した建物に閉じ込められたが、トンネルに閉じ込められた人々の一部は救出されている。地震による大規模な土砂崩れも起きている。

 また来月就任予定の『頼清徳 次期総統』は花蓮を訪れ、「人命救助が最優先だ」とし、同地域への鉄道は4日に再開すると語った。台湾空軍は、花蓮の基地にあったF16戦闘機6機が地震でやや損傷したが、すぐに任務に復帰する見込みだと発表した。

[■■]「今こそ台湾に恩返しをするときだ!

 「これまで日本で大きな災害が起きる」たびに、多くの義援金を送ってきてくれた、台湾。日テレには「今こそ台湾に恩返しをするときだ!」という投稿も相次いでいます・・・。すなわち、台湾に恩義を感じている日本人が大勢いるのです。

 念の為、YAHOO JAPANに「台湾地震 日本救助隊 2024 画像」と入力してみました。そうすると、今回の地震に際して、台湾人と日本人が「協力し合って立ち向かう姿」を、自分の目で確認することが可能でた。画像の数は実に50点以上に達します。

■台湾東部沖地震に対する「日本の支援」

 日本赤十字社--「2024年台湾東部沖地震救援金(3億円)」

 林官房長官--「日本政府として支援行う用意」

■島国の宿命

 日本は地震に弱い「島国」であり、台湾もまた地震に弱い「島国」です。今後も「日本」と「台湾」は「地震に弱い島国の宿命」として、助け合っていく必要があります。

[■■]毎日新聞の「4月3日付記事」

 記事のタイトル------日本と台湾、過去の地震でも相互支援 「海を接する隣人」深まる絆

 日本と台湾に国交はないが、どちらかが地震に見舞われると、もう一方が支援の手を差し伸べて、互いの絆を深めてきた。3日に発生した台湾付近を震源とする地震を受け、岸田文雄首相は自身のX(ツイッター)に「海を接する隣人である台湾の困難に際し、必要な支援を行う用意がある」と投稿。日本政府は、台湾から要請があった場合は人道的な支援に乗り出す方針だ。

 2400人以上の死者を出した1999年の台湾大地震。日本政府は地震が起きたその日のうちに国際緊急援助隊を現地に派遣した。派遣規模は当時としては過去最大規模の約110人で、各国の緊急援助隊のうち最初に現地入りしたとされる。

細野 透(ほその・とおる)

建築&住宅ジャ─ナリスト。建築専門誌『日経ア─キテクチュア』編集長などを経て、2006年からフリ─ランスで活動。

東京大学大学院博士課程(建築学専攻)修了、工学博士、一級建築士。

著書に、『建築批評講座』(共著、日経BP社)、『ありえない家』(日本経済新聞社)、『耐震偽装』(日本経済新聞社)、 『風水の真実』(日本経済新聞出版社)、『東京スカイツリーと東京タワー』(建築資料研究社)、 『巨大地震権威16人の警告』(共著、文春新書)、『謎深き庭 龍安寺石庭』(淡交社)など。


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