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東京競売ウォッチ

2018年1月30日

第400回 2017年の総括(2)

 昨年の競売市場では、その競落水準はどうであったか。

 図表1は物件種別毎の上乗せ率の4年推移である。全体として上乗せ率は3年ぶりに低下している。マンションに関しては3年連続で低下である。昨年10月26日開札には、都営大江戸線「汐留」駅徒歩4分に位置する「東京ツインパークス」の競売対象住戸が売却基準価額1億9339万円のところ、これを下回る1億8561万円で競落されるという事例も出現した。都心物件が売却基準価額を下回る競落事例が出現したことに目を引かれたが、これは売却基準価額の方が、高値落札の状況を見て、逆に高水準に設定されたということもあろう。

 また図表2では競落1物件に対する入札本数の推移であるが、これも昨年は1昨年に比し低下しており、競落競争が少し緩和した感じもある。それでも高水準状態でもあると言えよう。今年も昨年の配当要求終期の公告物件数を見るところ引き続き少ない対象物件に止まると思われる。少ない対象物件に対し競落競争は依然激しい状況が続きそうだ。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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