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東京競売ウォッチ

2020年1月21日

第495回 一都三県は競売新規申立増加!!

 本号と次号で2019年の東京地裁競売市場の総括を行いたい。掲載した図表1は全国の競売新規申立件数の推移表である。2018年までの集計であるが、全国的には減少傾向にある中、東京高裁管轄一都三県については実に9年ぶりに増加(対前年比約1.7%増)した。東京高裁の他では、広島高裁管轄が増加しているが、逆に福岡高裁の対象物件が3割程度減少しているのが目立っている。

 福岡の経済が堅調であることの反映だろう。図表2は東京地裁本庁の開札結果推移表であるが、対象物件が2年連続で増加した流れを引き継いだ形である。ただ入札本数は逆に約9%減少しており、競落競争は緩和したようだ。しかし、12月19日最後の開札では、都心(四谷駅前再開発地近隣)のビルに70本と一年間で最高本数の競落事例があり、都心商業地への入札意欲は相変わらず衰えていない感がある。一方で不動産融資が厳格化したことで共同住宅への入札が減じ、2極化が強まった一年であった。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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