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東京競売ウォッチ

2012年12月4日

第160回 ソープランドの土地建物

 11月13日の開札も前回に引き続き100%の落札であったが、対象件数が40件未満と、めっきり少なくなった印象を受ける。

 そんな中にあって、この日の1番人気は築浅(築6年)の一戸建であった。その物件は地下鉄丸ノ内線「東高円寺」駅徒歩約9分に立地する。位置指定の私道に面する約18坪の土地と、その上に建つ3階建て、4DKで延床面積約29坪の建物である。

 売却基準価額は2,429万円であったが、これに対し、28本の入札が集まり、最高価4,200万円強にて再販業者が落札していった。実需向けの築浅の戸建ては、このところ少ない中で入札が集まったようた。

 一方、この日は特殊物件の開札もあった。それは、台東区千束4丁目のいわゆるソープランドが密集する「吉原」地区にあり、現にソープランド(店舗性風俗特殊営業)が営業されている土地・建物である。

 実際に経営しているのは、この物件を賃借している会社である。おそらく、風営法施行前からの営業既得経営権があるのであろう。

 特殊物件だけに、結果が注目されたが、売却基準価額2,549万円に対し、6本の入札があり、最高価4,208万円にて、個人が落札していった。

 こういった物件は保有により、銀行の与信が低下するなどの影響がある。よって入札者は限られると思われるが、それにしては、多くの入札があったように思う。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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