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東京競売ウォッチ

2021年11月30日

第579回 馬込駅徒歩1分マンションに入札47本!!

 都心部中古マンションの価格上昇が勢いづいている。11月17日開札では都営浅草線「馬込」駅徒歩約1分に立地する3LDKのマンションが一番人気であった。3LDKといっても専有面積は19坪強で圧縮型の3LDKである。このマンションは2001年2月に竣工しているが、分譲されたのは約その1年弱前と見られる。その当時はまだアベノミクス前であり、不動産価格はまだ低迷しており、おそらく対象のマンションの新築時分譲価格は坪単価で200万円程度、総額4000万円前後であったろう。分譲主は間取りを3部屋取りながら、なるべく分譲価格を抑えようと圧縮型の3LDKとしたように思う。

 開札の結果は売却基準価額2720万円に対し入札がこの日一番の47本が入り、最高価5408万円で競落されていった。築年の経過(約20年)を勘案すれば分譲当時と比しかなりの値上がりである。またこのマンションには滞納管理費等も無く、所有者居住で、写真を見る限りきれいに使用されていることも大量入札を集めた要因であると思われる。ところで2000年前後に住宅ローンを組んで都心部のマンションを購入した方でローンが返済できなくなっても任意売却で精算を容易にできそうだ。競売物件が少なくなっている要因の一つである。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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