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東京競売ウォッチ

2014年1月14日

第213回 2013年最後の開札

 12月19日は2013年最後の開札であった。

 この日、落札率100%の完売で、活況であった年の締めくくりを象徴する結果となった。

 また、1番人気の物件は築15年強で3DKのファミリーマンションであった。集まった入札本数は52本にも達した。

 専有面積18坪強のこの部屋の売却基準価額は1,064万円であったが、競落価格は、その約2.3倍の2,440万円であった。中古マンションの高落札価格は衰えを知らない。

 また、旧耐震基準のマンションも立地によって高落札価格になる例も良く見かけるようになった。この日も東京メトロ南北線「駒込」駅徒歩約2分に立地する、専有面積12坪弱の2DKのマンションが対象になっていたが、このマンションは昭和55年12月築の旧耐震基準物件である。

 売却基準価額は666万円であったが、これに対し39本もの入札があり、最高価1,377万円と、その2倍強で落札されている。

 しかも、専有部分内の温水器の不具合や、滞納管理費等も50万円程度あるなど、競落価格以外の必要な購入コストも多くかかると思われる。それでも立地の良さから強気の落札結果となった。

 さらに、2013年は収益目的の1棟物件にも強気の入札価格がよく見られた。それでも、この日、品川区所在の鉄筋コンクリート造で築26年の借地権付共同住宅に借地権にもかかわらず、29本もの応札があったのには驚かされた。

 2014年も出だしは強気の落札が多く見られそうだ。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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