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東京競売ウォッチ

2014年3月18日

第222回 ◆強含みの中古マンション価格

 一般市場において中古マンション価格は強含みになっている。その背景には住宅ローンの貸し出し条件が金利等、借り手に良いことにもある。金利は年1%前後と歴史的低水準であり、金利先高感を感じる場合には、物件の買い急ぎにもつながる。

 一方、好立地の中古マンションとはいえ、賃料相場の上昇は特に見られないので、強含みの売買価格は収益目的での購入と考えれば、利回りは低下していると言える。

 さて、2月27日開札で、50本の入札を集め一番人気となったのは、丸ノ内線「東高円寺駅」徒歩約6分に立地する専有面積約23坪、2LDKのマンションであった。

 築16.5年を経過しているが、共用・専有部分とも管理状態は良好と見られる。また、この部屋には大きなルーフバルコニー付きという魅力がある。こういった条件で、この物件の売却基準価額は2,590万円であったが、最高価(競落価格)は、その2倍近い5,100万円であった。

 ちなみに、本物件を仮に賃貸するとすれば、近辺の相場からして、月額23万円程度かと思われる。年収276万円であるが、管理費等、固定資産税等を差し引けば、おそらく実質手取りは年230万円強であろう。したがって、競落価格は年利回り約4.6%の水準である。

 競落会社は再販業者と思われるので、エンドユーザー価格ベースで考えるのであれば、年4%程度になるだろう。引き続きこの流れが続くのか注目される。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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