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東京競売ウォッチ

2019年6月4日

第464回 天王洲アイルワンルームが高額落札!!

 米中貿易摩擦の影響で株価がさえない状況であり、競売市場の競落水準にも影響が出るかと思われる。しかし、物件によってはその影響は全く受けていないようだ。

 5月23日の開札では、りんかい線「天王洲アイル」駅徒歩約5分に立地するワンルームマンションが売却基準価額に対する上乗せ率が8割近い水準で競落された。この物件は専有面積6坪強で、12階建ての最上階住戸であった。建築されたのは3年強前で新しく、設備としてもバストイレ別である等賃貸条件として優位であり、また角部屋で眺望にも優れている。

 賃借人は退去しているが、月額9万円以上では十分貸せるであろう。年間の実収入(管理費等や固定資産税等控除後)は100万円近く見込めそうだ。また滞納管理費も約10万円程度である。この条件で売却基準価額は1480万円であったが、競落価格は先述の上乗せ率での2630万円であった。

 この物件の登録免許税、不動産取得税の合計は約40万円であるが、これを考慮すると先の滞納管理費等を併せ総取得費用は2680万円となり、実質の賃貸利回りは年3.7%と4%未満である。利回りが低い印象があるが、一棟アパートなどが融資引き締めで個人の投資がしにくくなる中、こういった物件の人気はむしろ高くなっているようにも思える。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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