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東京競売ウォッチ

2015年12月22日

第304回 開札対象に競売で珍しい更地2件

 2015年もあと2回の開札を残すのみとなったが、12月3日今年18回目の開札も対象物件が少ない中、100%落札であり、1年を通じ好調が今年も続いている。

 さて不動産相場についてであるが、中古マンションの値上がりは競落結果にも反映されてきているが、その他の不動産はどうであろうか。12月3日、更地が2件開札対象になった。更地自体あまり見られないが、あったとしても、接道条件や地形条件が悪いものが多い。そんな中、この日の1つの更地は整形地で接道条件も良い。

 その土地は東武伊勢崎線「西新井」駅徒歩約6分に立地し、南側で幅員22mの公道に面する近隣商業地域内にある。地形はほぼ整形で、間口は7m弱あり、延面積約27坪である。店舗兼共同住宅などの建設に適する土地と言える。

 この物件の売却基準価額は2,311万円で、これに対し入札は20本入り、最高価5,688万円にて落札されていった。1坪あたり210万円強にあたる。ちなみに、ここの正面路線価は1坪145万円であるので、競落価格は路線価の約1.45倍に相当する。

 また、この日は更地がもう1物件あった。その土地は文京区白山という好立地だが、接道条件に問題がある。それでも約42坪で売却基準価額3,225万円に対し、落札価格は3805万円と110%超の上乗せ率であった。

 これらの落札結果を見ると、やはり土地価格自体も上昇基調にあるように思える。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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