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東京競売ウォッチ

2013年3月12日

第172回 物件数少なく激戦の競落競争

 競売市場がここへ来てかなり力強い応札が見られるようになってきた。2月21日開札では、対象物件すべて落札され、かつ落札1物件あたりの入札本数は15本を超えた。

 その中で1番人気であったのが、都営大江戸線「落合南長崎」駅徒歩約6分に立地するマンションである。その物件は築29年で3DK、専有面積は14坪強の部屋であった。売却基準価額が960万円であったところ、入札47本が集まった。

 競落価格は、この売却基準価額の約1.9倍の1,826万円であった。決して新しいマンションではないにもかかわらず、かなり高い上乗せ率での落札であったが、立地の魅力が相当高かったのだろう。さらに大量応札があった要因として、空家状態で、商品化が早いこともあるように思う。

 また、この日、築8年強の板橋区のワンルームマンションにもやはり大量31本の入札があった。地下鉄有楽町線「要町」駅徒歩約7分という立地で、売却基準価額617万円に対し、その2.4倍を超える1,510万円にて落札された。この落札水準であると、表面利回りは6%を下回ることになり、かなり強気の入札価格に思える。

 この日は、他のマンションでも売却基準価額の2倍前後の部屋が散見される状況であった。物件数が少ないところで、激戦の競落競争の様相を呈している。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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