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2014年5月20日

第230回 下落合のマンションに入札62本

 4月24日開札も競落競争は激しく、1競落物件あたり平均で15本近い入札があった。そのうえ、62本という今年になって最多の入札本数を記録する物件も登場した。

 その最多入札本数の物件はマンションで、西武新宿線「下落合」駅徒歩約3分に立地する。築19年が経過しているこの物件の専有面積は約17.5坪であり、間取りは3LDKである。売却基準価額は1,612万円であったが、これに対し競落価格は3,152万円であった。

 競落したのは再販業者であるので、滞納管理費(約25万円)や内装費、そして利益等を考えると、4,000万円近い再販売価格になるのではないだろうか。そうであるとすると、再販の専有面積坪単価は200万円を優に超えることになり、レインズ上での最近の成約事例から1割程度高い設定にせざるを得ないであろう。

 この日はこのほか日比谷線「広尾」駅徒歩約1分の1LDK、専有面積約11坪で1LDKの物件が専有面積坪単価320万円超えで競落されていった。

 築年(約13.5年)から推して昨年末くらいの時点で考えれば、先の落札価格がほぼエンドユーザー価格ではないだろうか。

 新築マンションの供給が伸びず、建築費も上昇している中で、好立地の中古マンションの相場は明らかに上昇していると言えそうだ。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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