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東京競売ウォッチ

2010年8月23日

第54回秋葉原の土地43坪

 東京を中心にした先のミニバブルは外資ファンドが主導し、05年から07年くらいまでの間に起こった。

 この間、ノンバンクも不動産担保ローンの融資で大いに業績を伸ばしていった。その中には、先に破綻したSFCGもあった。都市銀行では融資が出来ない案件の受け皿となっていったのであるが、ミニバブルが崩壊すると、融資の多くが不良債権化し、坂を転がるように業績が悪化していった。

 結局、SFCGは民事再生から破産手続に移行され、現在清算作業になってしまった。

 競売市場にも、このSFCGがらみも物件が散見されるようになった。8月5日開札でも、JR「秋葉原」駅徒歩3分に立地する土地が債権者SFCGの物件であった。

 この土地は北側で幅員約4.5mの公道に面する約43坪で、現在コインパーキングが運営されている。記録によれば月額35万円での借り上げである。

 この物件の売却基準価額は5,804万円で、これは路線価ベースの評価に比べ10%強低い。そんな中で、結果は14本の入札が集まり、最高価1億10万円にて競落されていった。

 この水準は坪233万円強で、路線価評価に対し約1.5倍に相当する。前面道路幅員が狭いことがあって、容積は250%程度となる。落札水準は容積100%あたり100万円ほどになる。

 これが落札水準の一つの目処でありかもしれない。

山田 純男(やまだ・すみお)

1957年生まれ。1980年慶應大学経済学部卒業。三井不動産販売およびリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務後、 2000年ワイズ不動産投資顧問設立、及び国土交通省へ不動産投資顧問行登録(一般90号)。主に投資家サークル(ワイズサークル会員)を 中心に競売不動産や底地などの特殊物件を含む収益不動産への投資コンサルティングを行っている。 著書に「競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社、共著)「サラリーマンが地主になって儲ける方法」(東洋経済新報社)がある。 不動産コンサルティング技能登録者、行政書士、土地家屋調査士有資格者。


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