リアナビ｜スペシャリストの眼

「斜め45度」の視点

2015年3月24日

第169回住友不動産が「巨艦マンション路線」で供給戸数日本１の座

　住友不動産は２０１４年（１月?１２月）に全国で６３０８戸のマンションを発売。不動産経済研究所が公表する「マンション全国供給ランキング」で初の日本１にランクされた。

　日本１達成の原動力になったのは、東京都中央区晴海に建設中のタワーマンション「ドゥ・トゥール」（地上５２階、全１４５０戸）、神奈川県川崎市中原区の武蔵小杉駅周辺に建設中のタワーマンション「シティタワー武蔵小杉」（地上５３階、全８００戸）などの大型物件が寄与したもので、タワーマンションの比率が４０％を超えている。

　表「平成２６年の主な供給物件」に示した８物件だけで５２３７戸と、全６３０８戸の８３％を占めている。売り場面積が数千～１万平方メートルを超えるような大型店を「巨艦店」と呼ぶ。それに例えると、住友不動産は「巨艦マンション」路線で日本１の座を占めたことになる。

　「ドゥ・トゥール」完成予想図

　「スカイティアラ」完成予想図

　表「マンション全国供給ランキングの推移」に示すように、過去５年間を見ると、毎年首位が入れ替わっている。その中でも、住友不動産、三菱地所レジデンス、野村不動産、三井不動産レジデンシャルの４社が、安定的な地位を占めているのが分かる。

細野透（ほその・とおる）

建築＆住宅ジャーナリスト。建築専門誌「日経アーキテクチュア」編集長などを経て、2006年からフリージャーナリストとして活動。　東京大学大学院博士課程（建築学専攻）修了、工学博士、一級建築士。日本建築学会・編集委員会顧問。ブログ『建築雑誌オールレビュー』を主宰。日経産業新聞『目利きが斬る・住宅欄』に寄稿。　著書に、『建築批評講座』（共著、日経ＢＰ社）、『建築家という生き方』（共著、日経ＢＰ社）、『ありえない家』（日本経済新聞社）、『建築産業再生のためのマネジメント講座』（共著、早稲田大学出版部）、『耐震偽装』（日本経済新聞社）、『風水の真実』（日本経済新聞出版社）ほかがある。