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スペシャリストの眼

「斜め45度」の視点

2013年3月12日

第97回春のペア作戦第2弾─大京が「目玉物件」を連続投入

 大京が1月下旬に、「ライオンズ立川グランフォート」の記者発表会を開催。続いて、2月下旬に、「ライオンズ練馬レジデンス」の記者発表会を開催した。約1ヵ月の間に、立て続けに開催するのは珍しい。

 「ライオンズ立川グランフォート」は、地上 14 階、総戸数 100 戸で、竣工は2014 年 3 月。「世紀を超える邸宅」をコンセプトに、JR 中央線沿線では初の「長期優良住宅」となる。また、建物構造に関しては「免震構造」 を採用した。

 第1期販売は3月中旬を予定。価格は専有面積56~83平方メートルのタイプで3300~6400万円台、平均坪単価は210万円になる。

 次に、「ライオンズ練馬レジデンス」は、地上4階、高さ約12m、総戸数61戸。安宅設計の設計、東海興業の施工により、2014年2月に竣工する。また、第1期販売は3月中旬に行われる予定で、平均坪単価は250万円を予定する。

 最大の特徴は、日本で初めて「太陽熱利用・戸別給湯システム」を導入したマンションであること。採用されたのは、東京ガスが開発した太陽熱利用・戸別給湯システムで、商品名は「SOLAMOマイルーフ」。屋上に設置した太陽熱パネルで集熱し、熱媒を温め、それを配管を通じて各戸の貯湯タンクに送り込み、水を温めて70度のお湯にする。

 マンションデベロッパーのなかで、大京は「太陽光利用」に先進的に取り組んできた。まず、「ライオンズたまプラーザ美しが丘テラス」(79戸、11年竣工)において、首都圏で初めて、「各住戸への電力供給を可能にした太陽光発電システムを持つマンション」を建設した。

 次いで、「ライオンズ大森西グランフォート」(89戸、12年竣工)において、「各戸供給方式の太陽光発電システム」と「電力一括購入サービス」を初導入。

 さらに、「ライオンズ市川妙典」(57戸、13年11月竣工予定)において、「太陽光発電」と「定置型蓄電システム」を一体として設置。停電時のエレベーター運行を可能にした。

 その延長線上に、今回の日本初「太陽熱利用・戸別給湯システム」がある。


 「ライオンズ練馬レジデンス」の外観

細野 透(ほその・とおる)

建築&住宅ジャーナリスト。建築専門誌「日経アーキテクチュア」編集長などを経て、2006年からフリージャーナリストとして活動。  東京大学大学院博士課程(建築学専攻)修了、工学博士、一級建築士。日本建築学会・編集委員会顧問。 ブログ『建築雑誌オールレビュー』を主宰。日経産業新聞『目利きが斬る・住宅欄』に寄稿。  著書に、『建築批評講座』(共著、日経BP社)、『建築家という生き方』(共著、日経BP社)、 『ありえない家』(日本経済新聞社)、『建築産業再生のためのマネジメント講座』(共著、早稲田大学出版部) 、 『耐震偽装』(日本経済新聞社)、『風水の真実』(日本経済新聞出版社)ほかがある。


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