リアナビ

スペシャリストの眼

「斜め45度」の視点

2013年11月5日

第120回首都圏マンションの完売情報

 不動産経済研究所が発表した「2013年9月度─首都圏のマンション市場動向」によると、即日完売物件は19物件855戸だった。そのうち主要5物件のデータは以下の通り。

 (1) 「ザ・パークハウスグラン千鳥ヶ淵」

  千代田区、22戸、平均2億6645万円、平均5.09倍、最高13倍

 (2) 「グランドメゾン白金の杜ザ・タワー」1期

  港区、90戸、平均1億557万円、平均1.4倍、最高5倍

 (3) 「プラウド市ヶ谷南町ディアージュ」

  新宿区、28戸、平均8953万円、平均1.53倍、最高5倍

 (4) 「Tomihisa Crossコンフォートタワー」1期

  新宿区、482戸、平均6821万円、平均1.6倍、最高8倍

 (5) 「クレヴィアタワー目黒不動前」1期1~3次

  品川区、60戸、平均5681万円、平均2倍、最高3倍

 このうち、最も話題になったのが、2013年に販売されたマンションで1回次の販売戸数が全国最大を誇る「Tomihisa Crossコンフォートタワー」(新宿区富久町、地上55階建、総戸数1093戸)である。事業主は、野村不動産、三井不動産レジデンシャル、積水ハウス、阪急不動産。

 Tomihisa Crossに関しては、9月5日にモデルルームグランドオープンの記者発表を開催。それから、わずか19日後の9月24日に、第1期482戸完売のニュースリリースを発表する、スピーディーな動きとなった。

 第1期販売のデータは以下である。

  販売戸数 482戸

  申込登録総数 769 件、最高8倍、平均1.6倍

  販売価格 3197万円?1億7056万円

  最多価格帯 6500万円(37戸)

  専有面積 36.22?120.65平方メートル

 申込登録者の属性も示す。

  年齢 平均48.8歳

   (40歳台22%、50歳台26%、60歳以上22%)

  家族数 平均2.3人

  職業 会社員46%、役員・オーナー19%、医師10%

  居住地 新宿区20%、港区5%、その他23区42%

  現居住形態 持ち家58%、借家29%

 追加の第1期2次販売(180戸)は、10月19日~10月26日に実施された。

 消費税の税率アップ前の駆け込み、金利や価格の先高観などにより、首都圏で9月に販売されたマンションの契約率は、83.5%という高い数字を維持した。

細野 透(ほその・とおる)

建築&住宅ジャーナリスト。建築専門誌「日経アーキテクチュア」編集長などを経て、2006年からフリージャーナリストとして活動。  東京大学大学院博士課程(建築学専攻)修了、工学博士、一級建築士。日本建築学会・編集委員会顧問。 ブログ『建築雑誌オールレビュー』を主宰。日経産業新聞『目利きが斬る・住宅欄』に寄稿。  著書に、『建築批評講座』(共著、日経BP社)、『建築家という生き方』(共著、日経BP社)、 『ありえない家』(日本経済新聞社)、『建築産業再生のためのマネジメント講座』(共著、早稲田大学出版部) 、 『耐震偽装』(日本経済新聞社)、『風水の真実』(日本経済新聞出版社)ほかがある。


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