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スペシャリストの眼

「斜め45度」の視点

2016年11月29日

第230回1日3回の記者発表 近鉄不動産「ローレルスクエア健都ザ・レジデンス」

 10月には、1日3回形式という、比較的珍しい記者発表が大阪と東京で開催された。このうち大阪では、近鉄不動産・大和ハウス工業・名鉄不動産の3社が、「ローレルスクエア健都ザ・レジデンス」の記者発表を行った。

 最初に「健都」という言葉の意味を説明する。

 一 昭和の時代に「東洋一の操車場」と呼ばれた、JR東海道本線の岸辺駅に隣接する約50haの吹田操車場跡地を、再開発するプロジェクトがある。

 二 再開発のテーマは「健康と医療のまちづくり」。このため、街全体は「北大阪健康医療都市」と名付けられ、愛称は「健都」に決まった。

 三 街の中心的施設は「国立循環器病研究センター」で、それに医療・健康関係の機関・企業が集積するイノベーションパーク、交流創生施設、「吹田市民病院」などが加わるという構成。

 四 ほかに商業施設、ホテル、公園、分譲マンションなどが建設される。

 五 このうち分譲マンション建設用地に関しては、近鉄不動産など3社が競争入札で土地を入手した。

 次にマンション「ローレルスクエア健都ザ・レジデンス」の特徴を説明する。

 一 「健都」のランドマークとなる健康マンション。

 二 国立循環器病研究センターとの連携によって、「健康ソフトサービス」「高度循環器ドックの受診権付与」などの健康管理サービスを提供する。

 三 エクササイズルーム、ウォーキングコース、ランニングコースなど健康増進施設を整備する。

 四 プランニングに近鉄不動産の「エイジングフリー」「マドルノ」などを導入する。

 五 15階建2棟、20階建3棟、全824戸という大規模マンション。

 記者発表は11時~12時、13時半~14時半、15時~16時という3つの時間帯に分かれ、かつ最寄りの岸辺駅から会場のモデルルームまで大型バスが用意された。

 私はこのうち11時~12時コースに参加したが、会場では説明者の多さに驚いた。近鉄不動産の3名の担当者に加えて、ドコモ・ヘルスケア、NTTネオメイト、西日本電信電話、ミズノ、ミズノスポーツサービスという5社からも、担当者が2名ずつ参加するという力の入れ方だった。

 私は建築系の出身であるため、主にマンションのハード面に関心があった。けれども一般紙の記者や女性の記者は健康ソフトサービスに関心を示し、モデルルームの「健康モニター」を眺めながら熱心に取材を続けた。

 (国立循環器病研究センターと連携した、「健康ソフトサービス」のシステム)

 【ローレルスクエア健都ザ・レジデンスの概要】

 名称─ローレルスクエア健都ザ・レジデンス

 所在地─大阪府摂津市千里丘新町701番他

 交通─JR東海道本線(京都線)「岸辺」駅徒歩7分 

 地域・地区─第一種住居地域、準防火地域、千里丘新町地区 地区計画

 敷地面積─1万9807平方メートル

 建築面積─6682平方メートル 

 構造・規模─RC造、地上15階建・20階建

 総戸数─824戸

 住居専有面積─61.08~94.77平方メートル

 駐車場─660台

 管理会社─近鉄住宅管理

 竣工予定─平成30年2月~平成31年7月

 入居予定─平成30年3月~平成31年8月

 事業主(売主)─近鉄不動産、大和ハウス工業、名鉄不動産

 設計・施工─長谷工コーポレーション

細野 透(ほその・とおる)

建築&住宅ジャーナリスト。建築専門誌「日経アーキテクチュア」編集長などを経て、2006年からフリージャーナリストとして活動。  東京大学大学院博士課程(建築学専攻)修了、工学博士、一級建築士。日本建築学会・編集委員会顧問。 ブログ『建築雑誌オールレビュー』を主宰。日経産業新聞『目利きが斬る・住宅欄』に寄稿。  著書に、『建築批評講座』(共著、日経BP社)、『建築家という生き方』(共著、日経BP社)、 『ありえない家』(日本経済新聞社)、『建築産業再生のためのマネジメント講座』(共著、早稲田大学出版部) 、 『耐震偽装』(日本経済新聞社)、『風水の真実』(日本経済新聞出版社)ほかがある。


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