リアナビ

スペシャリストの眼

「斜め45度」の視点

2021年6月8日

第377回 マンションのコロナ対策を探して「三井不動産のウェブサイト」をアタフタ

 三井不動産のウェブサイトには「ニュースリリース欄」があります(URL1)。2021年5月下旬に、このニュースリリース欄を、「コロナ」というキーワードで検索しました。すると、実に95件もの情報がヒットしました(URL2)。

 しかし、この95件をチェックしてみると、私が求めている、「分譲マンションの企画者、販売者、管理者などが悩んでいる、新型コロナ問題に関するリリース」ではありませんでした。

 そのため次に、三井不動産グループで分譲マンション事業を担当する、「三井不動産レジデンシャルのニュースリリース」欄で、改めて検索しようと考えました。

 しかし、残念なことに、同欄には検索機能が見当たりません。やむを得ず、各リリースを1本ずつ目で追ったのですが、「コロナvs分譲マンション」に的を絞ったリリースを見つけることはできませんでした。

 この段階で思わず、「ハアッ」というため息が出てしまいました・・・。

◆URL1
https://www.mitsuifudosan.co.jp

◆URL2
https://search1.mitsuifudosan.co.jp/search?site=MPAIFO2F&charset=UTF-8&group=news&design=news&query=コロナ&submit=

【■■】検索方法を変更して再トライ

 私はこれから、どうすればいいのでしょうか。しばらく「ボーッ」としていると、次のようなアイデアが浮かんできました。

 「常識的に判断すると、日本の分譲マンション市場を率いる“雄”というべき三井不動産グループが、新型コロナ問題に関して、ニュースリリースを発行していないことは、あり得ないはず・・・」

 そう考えて、思い切って検索方法を変更。今度はGoogleの検索欄に、「三井不動産、マンション、新型コロナ」と書き込みました。

 すると、今度は手応えがありました。多数のウェブサイトがヒットしたのです。その中で、以下に示すⓐⓑⓒ3種類のウェブサイトが、私の興味を引きました。

【■■】ⓐ新型コロナウイルス感染者に関するお知らせ(三井不動産レジデンシャル)
  URL<https://www.mfr.co.jp/corona.html>

 三井不動産レジデンシャルは、三井不動産グループの「住宅分譲会社」です。つまり、レジデンシャル社の中に情報が眠っていたのです。

 ⓐに記したURLをクリックすると、「当社の新型コロナウイルス感染者に関するお知らせは、以下をご覧ください」と明記しているではありませんか。

 そして、2021年には計6日分、2020年には計4日分のデータが掲載されています。

 このうち、最も新しい2021年4月16日付けのデータを見ると、次のように記されています。
  URL<https://www.mfr.co.jp/content/dam/mfrcojp/company/news/2021/0416_01.pdf>

 「新型コロナウイルス感染者に関するお知らせ」

 当社の従業者1名が新型コロナウイルスに感染していることが、4月15日に判明しました。当社では、感染者が勤務していたビルにおいて、本日時点で以下の対応を取っております。

・当該従業者の行動履歴より濃厚に接触した者の特定
・上記接触者がいた場合、これに対する自宅待機要請および健康状態に関する経過確認
・当該ビル居室および共用部の該当箇所の消毒実施
・当該ビルの管理会社等への連絡

 保健所が指定する濃厚接触者がいる場合は、当該従業者と最後に接触した日から14日間の自宅待機としております。

 今後も保健所等と連携を図り、新型コロナウイルス感染症予防の取組を推進し、お客様と従業者の安全確保を最優先に対応してまいります。

 関係者の皆様におかれましては何卒ご理解のほど、お願い申しあげます──。

【■■】ⓑ新型コロナウイルス感染症に関する情報(三井不動産レジデンシャルサービス)
  URL<https://www.mitsui-kanri.co.jp/corporation/newsrelease_covit-19.html>

 次は、三井不動産レジデンシャルの「マンション管理会社」である、三井不動産レジデンシャルサービスの出番です。

 上記URLをクリックすると、同社が記録した「新型コロナウイルス感染症に関する情報」があります。そして、2021年には計12日分、2020年には計11日分のデータが掲載されています。

 このうち、2021年4月26日には、「新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言発令に伴う弊社対応について」と題して、2本のデータが掲載されています。

 まず「新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言発令に伴う弊社対応について」と題するお知らせです──。

 新型コロナウイルス感染症に関する「緊急事態宣言発令」に伴う弊社対応についてお知らせ いたします。

 弊社では、引き続き、管理組合の皆様をはじめとするお客様および業務委託先・弊社従業 員の安心・安全・健康を第一に考え、また、管理組合の皆様をはじめとするお客様のくらしを支える役割を担う企業として、各種感染症予防・拡大防止策(マスク着用・手洗い・咳エ チケット・検温・アルコール消毒の励行、在宅勤務・シフト勤務の継続、ソーシャルディス タンスの確保等)を講じたうえで、弊社業務を継続して実施させていただく所存です。

 続いて「新型コロナウイルス感染者に関するお知らせ」です──。

 東京都内の弊社管理物件に勤務する従業員1名が、新型コロナウイルスに感染していることが 4月17日(土)に判明いたしました。弊社では、4月20日(火)時点で以下の対応を取っております。

・当該従業員の行動履歴より濃厚に接触した者の特定
・上記接触者に対する自宅待機要請および健康状態に関する経過確認
・当該事務所における当該従業員ならびに濃厚接触者の行動範囲および共用部の消毒実施。濃厚接触者がいる場合には当該従業員と最後に接触した日から2週間自宅待機としております。

 今後も保健所等と連携を図り、新型コロナウイルス感染症予防の取組を推進し、お客様と従業員の安全確保を最優先にして対応してまいります。関係者の皆様におかれましては、何卒ご理解のほど、お願い申しあげます。

【■■】ⓒ新型コロナウイルス感染防止に対応した弊社営業方針(レジデントファースト)
  URL<https://www.mitsui-chintai.co.jp/service/info/>

 さらにⓒのURLをクリックすると、レジデントファースト社による「新型コロナウイルス感染防止に対応した弊社営業方針」が記されています。同社は「三井の賃貸」という愛称を持つ「不動産仲介会社」です。

 ──平素は当社業務につきまして格別のご高配を賜り、厚く御礼申しあげます。

 現在、新型コロナウイルスの影響により、人々の移動や直接の交流が制限されています。一方この環境下で、住まいを探されているお客様におかれましては、対面接客に対するご不安を抱えていらっしゃるとお察しいたします。

 当社では、日本政府ならびに東京都の方針・要請を踏まえ、お客様、関係者および従業員とその家族の安全を確保した上で、お客様のご事情に寄り添う方法はないか検討を続けてまいりました。

 その結果、今後の社会環境の変化を見据え、安心してお部屋探しができる持続可能な環境をご用意することで、社会的責任を果たすことができるのではないかと考え、このたび一部営業業務を開始することといたしました。

 営業を再開するにあたり、出社スタッフ数を限定し、密集・密接・密閉を回避することはもちろん、感染防止策を中心に衛生管理を十分に整えた体制で対応してまいります。そのため、ご対応にお時間がかかる場合もありますことを何卒ご了承ください。

 お客様、関係者様にはご不便、ご迷惑をお掛けいたしますが、何卒ご理解賜りますようお願い申しあげます──。

 その上で、1「新型コロナウイルス感染防止対策整備状況」、2「当社の感染予防策について」、3「お客様へのお願い」が付記されています。

 このうち、3「お客様へのお願い」を明記しておきました。

・体調のすぐれない場合や感染の可能性がある場合は、別日程にて調整をお願いいたします。
・検温へのご協力をお願いいたします。
・マスクの着用をお願いいたします。
・ご同席は少人数、できる限り短時間でお願いいたします。
・ソーシャルディスタンスを意識し、間隔をあけて対応させていただきます。
・お部屋をご内覧される場合、事前換気や白手袋・使い捨てスリッパのお貸出し等、感染対策を講じさせていただきます。
・ビデオ通話などを活用したオンラインでの物件内覧、契約締結を推奨しております。併せてご検討ください。

【■■】建築&住宅ジャーナリストとしての感想

 私は以上のような方法で、三井不動産グループでマンション事業を担当する、「三井不動産レジデンシャル」「三井不動産レジデンシャルサービス」「レジデントファースト」という3社で働く皆さんの、いわば「新型コロナ感染症・苦闘記」に触れることが出来ました。

 皆さん、どうか体調に気を付けて、過ごして下さいね。

細野 透(ほその・とおる)

建築&住宅ジャ─ナリスト。建築専門誌『日経ア─キテクチュア』編集長などを経て、2006年からフリ─ランスで活動。

東京大学大学院博士課程(建築学専攻)修了、工学博士、一級建築士。

著書に、『建築批評講座』(共著、日経BP社)、『ありえない家』(日本経済新聞社)、『耐震偽装』(日本経済新聞社)、 『風水の真実』(日本経済新聞出版社)、『東京スカイツリーと東京タワー』(建築資料研究社)、 『巨大地震権威16人の警告』(共著、文春新書)、『謎深き庭 龍安寺石庭』(淡交社)など。


BackNumber


Copyright (c) 2009 MERCURY Inc.All rights reserved.