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「斜め45度」の視点

2022年11月8日

第411回 日本経済新聞の連載『マンション高騰シリーズ』のインパクト

 日本経済新聞社が2022年10月に、「日本経済新聞の紙面」及び「日本経済新聞のウェブサイト」に掲載した一連の記事、『マンション高騰シリーズ』に目を通す機会がありましたか?

 ここでは、主として、「ウェブサイトに掲載された記事」について、詳しく説明します。

❶10月8日
『マンション高騰の先は駅前×再開発、局所バブルの新景』

 ◆庶民的な街、東京・十条に「億ション」

 「本当にこんなに高いのか」。市場関係者の間で今、大きな話題となっている新築マンションがある。
 東京都北区で建設が進む、東急不動産と日鉄興和不動産のタワーマンション「ザ・タワー 十条」だ。

 9月末時点での予定平均価格は、1坪(約3.3平方メートル)当たり483万円。3LDKで一般的とされる70平方メートルの住戸に換算すると1億円強にのぼる。10年前なら東京都心の物件... (✻残り3733文字) 。

 注「上記の✻印の説明」
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 記事のURL<https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB0721R0X01C22A0000000/>

❷10月10日
『マンション高騰の果て(1)』

 ◆マンション高騰「東京にいられない」、始まった変調

 群馬県高崎市郊外の高崎問屋町駅前で、建設が進む15階建ての大型マンション。「1駅先の高崎駅から、新幹線に乗れば東京駅まで1時間。都内在住者の購入も増えている」。不動産大手NTT都市開発の統括責任者、新浩士は手応えを見せる。

 2023年秋に完成するマンションは、NTT都市開発の主力ブランド「ウエリス」シリーズで、群馬県初の物件だ。「3LDKを中心とした間取り」や、「3千万~4千万円台と東京23区の半値以下の価格」…。

 記事のURL<https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC244BD0U2A920C2000000/>

❸10月12日
『マンション高騰の果て(2)』

 ◆「買えるのは富裕層の特権か」

 「買えるのは一部の富裕層の特権なのか」。横浜市の賃貸マンションで夫と4歳の娘と暮らす会社員、三輪尚子(仮名、38)はため息をもらす。

 数年前から都心近郊でマンションを探してきた。上限の目安にする6000万円台を超える高額物件が増え、検索サイトを眺めては焦燥感を募らせる日々を送る。

 10年以上かけて、頭金として1500万円をためてきたが、物価高でガソリン代や食費などの生活費が1割上がり...。

 記事のURL<https://www.nikkei.com/article/DGKKZO65057260S2A011C2EA1000/>

❹10月13日
『マンション高騰の果て(3)』

 ◆「次の土地がみつからない」、細るマンション開発適地 

 「用地取得が難しい京都市内でのマンション供給につながった」。三井不動産レジデンシャル関西支店の主査、水野貴之が手応えをみせる案件がある。「J・フロントリテイリング傘下」の、パルコが保有する土地を活用して手掛ける分譲マンションだ。

 地下鉄や阪急電鉄の駅から近く、四条河原町など市中心部の繁華街が徒歩圏。物件はパルコが持つ商業施設のノウハウを生かし、グループの百貨店のサービス提供も検討する。パルコ執行役員の...。

 記事のURL<https://www.nikkei.com/article/DGKKZO65088480T11C22A0EA1000/>

❺10月14日
『マンション高騰の果て(4)』

 ◆「虎の子」住宅ローン争奪戦、「市場食い荒らされる」

 「当行ならスピーディーに審査・契約できる」。三重県を地盤とする地方銀行、百五銀行が7月に開いた愛知県の住宅ローン拠点。在籍する行員は不動産会社に足しげく出向き、マンションなど住宅の購入希望者に自行を紹介してもらえないかと営業をかけている。

 百五銀行は2022年に愛知県内だけで住宅ローンの拠点を3カ所つくったほか、担当者を60人増やした。頭取の杉浦雅和は「愛知県内のシェアは低い。まだまだ(開拓の)..。

 記事のURL< https://www.nikkei.com/article/DGKKZO65125980T11C22A0EA1000/>

[■■] 「日経アーキテクチュア編集部」の出身者として

 私は、日本経済新聞社の関連会社である、「日経BP社(出版社)」が発行する建築専門誌、「日経アーキテクチュア編集部」の出身です。それ故に、「日経」という名前を付けたメディアには、きちんと目を通すことにしています。

 長い経歴を持つ「建築&住宅ジャーナリスト」として、日経新聞が今回、『マンション高騰の果て』という、『悲壮感』を込めたタイトルを使用したことに、強いインパクトを感じました。

 それ故に、次回から、日経新聞以外のメディアや不動産各社が、上記「マンション高騰の果て」について、どのように受け止めているのかを明らかにしたいと思います。

細野 透(ほその・とおる)

建築&住宅ジャ─ナリスト。建築専門誌『日経ア─キテクチュア』編集長などを経て、2006年からフリ─ランスで活動。

東京大学大学院博士課程(建築学専攻)修了、工学博士、一級建築士。

著書に、『建築批評講座』(共著、日経BP社)、『ありえない家』(日本経済新聞社)、『耐震偽装』(日本経済新聞社)、 『風水の真実』(日本経済新聞出版社)、『東京スカイツリーと東京タワー』(建築資料研究社)、 『巨大地震権威16人の警告』(共著、文春新書)、『謎深き庭 龍安寺石庭』(淡交社)など。


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