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「斜め45度」の視点

2013年10月1日

第117回リーマンショック後の「坪単価最高額マンション」が即日完売

 三菱地所レジデンスの億ション「ザ・パークハウスグラン千鳥ヶ淵」が「全戸即日登録申込完売」した。このマンションは、皇居の森を南東面に望む千代田区三番町に立地。総戸数73戸(事業者協力住戸51戸、販売対象22戸)、専有面積72.26~179.17平方メートル、価格1億6000万円~5億4200万円、最多価格帯2億7000万円台と、全戸が億ションだった。

 販売は以下のスケジュールで行われた。

  8月24日(土) モデルルーム事前案内会開始

  9月 7日(土) モデルルームグランドオープン

  9月13日(金)~9月16日(月) 登録受付期間

  9月17日(火) 抽選会

 このように販売期間が短かったにもかかわらず、好成績を収めた。

  総来場件数 245件

  問い合わせ件数 843件

  登録総数 112件

  最高倍率 13倍

  平均倍率 5.09倍

  人気住戸 1LDK(1億6900万円)13倍

       3LDK(5億4200万円)10倍

  年齢 30代(6.6%)、40代(16%)、50代(32%)、60歳以上(43%)

  居住地 千代田区(16.5%)、港区(12.9%)、渋谷区(4.9%)

 購入者は以下の点を評価した。

  一。千鳥ヶ淵と皇居の森を望む立地。

  二。全戸南東向きの配棟計画 。

  三。建物とランドスケープのデザイン。

  四。免震構造や4重セキュリティ。

  五。24時間有人管理体制。

  六。各種サービスをバイリンガルて行うコンシェルジュサービス。

  七。売主の信頼度と実績

 坪単価は800万円前後。2008年のリーマンショック以降に新築分譲されたマンションの中では、坪単価が最高額のマンションとして、業界内で大きな注目を集めていた。富裕層が相続対策などで購入したと見られている。

細野 透(ほその・とおる)

建築&住宅ジャーナリスト。建築専門誌「日経アーキテクチュア」編集長などを経て、2006年からフリージャーナリストとして活動。  東京大学大学院博士課程(建築学専攻)修了、工学博士、一級建築士。日本建築学会・編集委員会顧問。 ブログ『建築雑誌オールレビュー』を主宰。日経産業新聞『目利きが斬る・住宅欄』に寄稿。  著書に、『建築批評講座』(共著、日経BP社)、『建築家という生き方』(共著、日経BP社)、 『ありえない家』(日本経済新聞社)、『建築産業再生のためのマネジメント講座』(共著、早稲田大学出版部) 、 『耐震偽装』(日本経済新聞社)、『風水の真実』(日本経済新聞出版社)ほかがある。


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