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「斜め45度」の視点

2017年3月14日

第241回不動産情報スマホサイトランキングでSUUMOとHOME'Sが大接戦

 ウェブサイトの客観的な評価・比較を行うモーニングスター社が、「Gomez不動産情報スマホサイトランキング2017年2月版」を公表した。初めて調査が行われた2012年11月版から2015年12月版までは「ウエブサイトランキング」だったが、今回は初めて「スマホサイトランキング」が登場した。

 まず「賃貸不動産情報スマホサイトランキング」のベスト11を紹介する。

 ネクストのHOME'Sが総合得点7.71点で1位を占め、リクルートのSUUMOが7.45点で2位に付けた。

 この総合得点は、(1)サイトの使いやすさ、(2)情報量とコンテンツ、(3)安定性と信頼感、(4)便利な機能・サービスという4つの項目から構成されている。HOME'SとSUUMOを比較する。

 HOME'Sは「安定性と信頼感」と「便利な機能・サービス」の2カテゴリで1位を獲得し、「サイトの使いやすさ」、「情報量とコンテンツ」の2カテゴリで2位を獲得している。

 総評では、HOME'Sを「前回訪問したエリアや検索条件は、再訪時に自動セットされるほか、会員向けサービスでは、ログイン後にスマホサイトで登録したお気に入り物件や検索条件がPCサイトにも連携しているため、様々なデバイスを使用しているユーザーにとっても利便性が高く、再訪しやすい機能を多く提供している優れたウェブサイトである」と評価している。

 これに対して、SUUMOはサイトの使いやすさ、情報量とコンテンツの2項目では1位であるにもかかわらず、安定性と信頼感が3位、便利な機能・サービスが4位と振るわなかったため、総合得点で2位に落ちたことが分かる。

 また賃貸不動産情報サイト全体については、「今後は、ますます人工知能による自動分析化やマッチングサービスなど新たなサービスが増えていくと見込まれる一方で、ユーザーの閲覧環境の多様化を考慮したマルチデバイス対応など、ユーザーの視点に立ったウェブサイトづくりが望まれる」と分析している。

 次に「売買不動産情報スマホサイトランキング」のベスト7を紹介する。

 こちらではSUUMOが総合得点7.88点で1位を占め、HOME'Sは7.60点で2位に甘んじた。

 その内訳を見よう。SUUMOは(1)サイトの使いやすさ、(2)情報量とコンテンツの2項目で1位なのに対して、HOME'Sは(3)安定性と信頼感、(4)便利な機能・サービスの2項目で1位になっている。まさに大接戦である。

 総評では、SUUMOを「秀逸なのは、独自の機能である"支払額シミュレーション"と"購入可能額シミュレーション"サービスでは、画面内の返済期間・銀行金利・頭金等の情報を入力すると、シミュレーション結果がリアルタイムに表示されること。さらに"購入可能額シミュレーション"の結果画面からは、購入可能な物件だけを検索できるため、ユーザーはすぐに物件探しができる。このように利便性の高い充実したサービスを提供している優れたウェブサイトである」と評価している。

 

 さらに売買不動産情報サイト全体について、「不動産業界においては、物件管理やエージェントマッチング、データ分析などReal Estate Tech(不動産テック)による新たなサービスに注目が集まっている中で、不動産情報を提供している不動産情報サイトでは、より正確な情報と質の高いサービスの提供が期待される」と分析している。

細野 透(ほその・とおる)

建築&住宅ジャーナリスト。建築専門誌「日経アーキテクチュア」編集長などを経て、2006年からフリージャーナリストとして活動。  東京大学大学院博士課程(建築学専攻)修了、工学博士、一級建築士。日本建築学会・編集委員会顧問。 ブログ『建築雑誌オールレビュー』を主宰。日経産業新聞『目利きが斬る・住宅欄』に寄稿。  著書に、『建築批評講座』(共著、日経BP社)、『建築家という生き方』(共著、日経BP社)、 『ありえない家』(日本経済新聞社)、『建築産業再生のためのマネジメント講座』(共著、早稲田大学出版部) 、 『耐震偽装』(日本経済新聞社)、『風水の真実』(日本経済新聞出版社)ほかがある。


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