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「斜め45度」の視点

2021年3月9日

第371回 コロナに負けず、三井不レジ「パークタワー勝どき」販売好調の舞台裏

 「日経産業新聞」は、日本経済新聞社が発行する、産業・企業情報に特化したビジネス総合紙です。同紙は2021年2月18日号の1面に、「コロナ下、職・住・遊極め沸騰──将来価値で選ぶ首都圏マンション」と題する大きな記事を掲載しました。

 そして、「首都圏の新築マンションTOP30─将来格付け」と題して、新築分譲マンションの将来価値を、以下の7項目で評価した表を作成しました。

 ①ワークプレイス
  主要ターミナル駅へのアクセス、沿線の遅延率などを考慮。

 ②ライフスタイルの充実度
  最寄り駅にある商業施設の規模や内容。
  美術館、劇場、ホールの数や質など。

 ③マルチ世代への適応
  保育園や学校など教育施設の充実度合い、病院の診療体制など。

 ④オリジナリティー
  駅直結型など企画の希少性、長期優良住宅の認定の有無など。

 ⑤将来需要
  大型オフィスの供給量の多寡、人口増加率や世帯増加率など。

 ⑥マンションの共用部
  外観のデザイン性、エレベーターの設置率など。

 ⑦マンションの専有部
  二重床、防音性、採光、収納性など。

【■■】「三つ星★★★物件」、「二つ星★★物件」、「一つ星★物件」

 「首都圏の新築マンションTOP30─将来格付け」は、大きく「三つ星★★★──3物件」、「二つ星★★──5物件」、「一つ星★──22物件」に分かれています。

 このうち「三つ星★★★──3物件」に選ばれたのは、以下のマンションです。この3物件は、総戸数が少ない順に並んでいます。

 ザ・レジデンス四谷(新宿区)
  事業主(主幹事)─三菱地所レジデンス
  総戸数─60戸

 パークコート千代田四番町(千代田区)
  事業主(主幹事)─三井不動産レジデンシャル
  総戸数─168戸

 パークタワー勝どきミッド/サウス(中央区)
  事業主(主幹事)─三井不動産レジデンシャル
  総戸数─2786戸

 三菱地所レジデンスが1物件、三井不動産レジデンシャルが2物件。三菱、三井は強いですね。

 今回はこのうち、総戸数が2786戸という大規模マンションである、「パークタワー勝どきミッド/サウス」に注目したいと思います。


 外観の完成予想CG(中央部の2棟)。左側がサウス棟、右側がミッド棟。


 ステーション・エントランス

【■■】2020年7月21日付け「1通目のニュースリリース」の内容

 三井不動産レジデンシャル・鹿島建設・清水建設の3社は、「パークタワー勝どきミッド/サウス」に関して、これまでに3通のニュースリリースを発行しています。

 ①2020年7月21日 ──1通目のニュースリリース

 全2786戸、勝どき駅直結の商住複合大規模再開発プロジェクト
 GRAND MARINA TOKYO「パークタワー勝どきミッド/サウス」
ニューノーマル時代の暮らしの多様性に応える商品を発表

リリースのURL
<https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2020/0721_02/ download/sumai/20200721.pdf>

 このうち「ニューノーマル(New Normal)」という言葉を直訳すると、「新しい常態」というような意味になります。社会に大きな変化が起こり、変化が起こる以前とは同じ姿に戻ることができず、新たな常識が定着することを指しています。

「パークタワー勝どきミッド/サウス」の場合には、「ニューノーマル時代の暮らし」とは、「新型コロナウイルスに耐えることができる新たな生活様式」を意味していると解釈できます。

 そうした未来に向けた変化の1つは、「働き方の変化」です。リモートワークが定着し、働く場所、時間をより自由度高く選べる時代になったことで、職場以外に気持ちよく働くことのできる場所が求められるようになりました。

 また、2つ目の大きな変化は「サービスのオンライン化」です。授業や習い事、フィットネスや飲み会などあらゆるシーンのオンライン化が進むことで、生活の中に占めるITやインターネットの 重要度はさらに高まります。

 これらの変化を背景に、家族と暮らす専有部だけではなく、複数の居住者が利用する共用部においても、パーソナルな時間・空間の確保がひとつの課題となっています。


 コワーキングスペースの平面図


 コワーキングスペースにある会議室

 1通目のニュースリリースは、以上のようなことを強調しているのです。

【■■】2020年11月18日付け「2通目のニュースリリース」の内容

 三井不動産レジデンシャル・鹿島建設・清水建設の3社は、「パークタワー勝どきミッド/サウス」に関して、2020年11月18日に、2通目のニュースリリースを発行しました。

 ◆11月20日(金)よりミッド棟販売開始   第1期1次販売戸数─237戸   最高価格─3億3980万円(153.05平方メートル)

 ──2019年12月に 物件HPにてエントリー受付を開始して以来、エントリー数は累計で約9500件に達しました。また、2020年9月4日から開始した「モデルルームの事前案内会」開催以降、総来場者数は1700組以上(2020年11月15日時点)に達しました。

 このように多くのお客様にご検討をいただいているため、2020年11月20日(金)より、第1期1次登録販売を開始いたします。

 第1期1次の販売戸数は237戸、販売価格は7260万円(55.80平方メートル)〜3億3980万円(153.05平方メートル)、最多価格帯は9200万円台(13戸)です──。

リリースのURL
<https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/ 2020/1118_02/download/sumai/20201118_02.pdf>

【■■】2021年2月9日付け「3通目のニュースリリース」の内容

 三井不動産レジデンシャル・鹿島建設・清水建設の3社は、「パークタワー勝どきミッド/サウス」に関して、2021年2月9日、3通目のニュースリリースを発行しました。

◆第1期1次・2次販売333戸、全戸に登録申し込み

  登録申込み総数─約960件、最高倍率─27倍、平均倍率─約2.8倍
  販売価格─7260万円〜3億3980万円
  専有面積─55.80〜153.05平方メートル

 ご好評につき、2021年2月中旬より第1期3次の事前案内会(完全予約制)を新たに開催いたします。同事前案内会は、2月中旬よりエントリー者様へ送付予定のメールにて、予約受付を開始いたします。1期3次からは水辺や外構部の緑を望む低層フロアの住戸も販売する予定です。

 ◆調査結果のサマリー

 ◇ご契約者様の94%が、駅直結をご成約の決め手に

  成約の理由として、ご契約者様の94%が、「勝どき駅直結」と回答。続いて「商業施設の利便性(28.9%)」、「三井不動産レジデンシャル、鹿島建設、清水建設の信頼性(27.1%)」がランクイン。

 ◇コロナ禍におけるすまい選びの基準として、ワークスペースのニーズが急上昇 

  ご契約世帯で働いている方のうち、5割以上が引き続きリモートワークを実施。また、コロナ禍におけるすまい選びの基準として、30.1%がワークスペースの有無を重要視と回答。 

 ◇お子さまのいらっしゃる世帯では、商業施設の利便性が成約理由に 

  ご契約世帯の約2世帯に1世帯が、お子さまがいると回答。さらに、お子さまのいらっしゃる世帯ほど、商業併設の利便性が成約理由になっていることが明らかに。

 ◇ご契約者様は、ニューノーマル対応商品企画に魅力を感じていることが明らかに 

  約8割がコワーキングスペースを始めとしたワークスペースを利用したいと回答。また、パーソナルユースに対応した共有設備に関しても約7割が利用したいと回答。 

リリースのURL
<https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2021/ 0209/download/sumai/20210209.pdf>

【■■】「日経産業新聞」の記事掲載のタイミング

 三井不動産レジデンシャル・鹿島建設・清水建設の3社が、「パークタワー勝どきミッド/サウス」に関して、「第1期1次・2次販売333戸、全戸に登録申し込み」、と題するニュースリリースを発行したのは2021年2月9日のことでした。

 それから9日後の2月18日。「日経産業新聞」は、「コロナ下、職・住・遊極め沸騰──将来価値で選ぶ首都圏マンション」と題する大きな記事を掲載。「パークタワー勝どきミッド/サウス」を、「三つ星★★★物件」として紹介したのです。

細野 透(ほその・とおる)

建築&住宅ジャ─ナリスト。建築専門誌『日経ア─キテクチュア』編集長などを経て、2006年からフリ─ランスで活動。

東京大学大学院博士課程(建築学専攻)修了、工学博士、一級建築士。

著書に、『建築批評講座』(共著、日経BP社)、『ありえない家』(日本経済新聞社)、『耐震偽装』(日本経済新聞社)、 『風水の真実』(日本経済新聞出版社)、『東京スカイツリーと東京タワー』(建築資料研究社)、 『巨大地震権威16人の警告』(共著、文春新書)、『謎深き庭 龍安寺石庭』(淡交社)など。


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