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スペシャリストの眼

「斜め45度」の視点

2022年12月13日

第413回 マンション購入時、X世代(40〜50代)は何を参考にした?

 皆さんは、自分で撮影した動画などを「インターネットにアップロード」して、他のユーザーに公開する「YouTube(ユーチューブ)」の仕組みを、利用したことがありますか?

 私は最近、「マンションを購入しようと考えている人達は、YouTubeをどの程度、利用しているのだろう?」という疑問を抱き、アレコレ調べてみました。

 その結果、株式会社スタイルポート(本社:東京都渋谷区、代表:間所暁彦氏)が、2022年4月に公表した、下記の「ニュースリリース」にたどり着きました。少し、長いタイトルが付いています。

[■■]「マンション購入時、X世代(40〜50代)は何を参考にした?」

 「ニュースリリース」では、以下のように要約しています。

 「X世代の約半数が『不動産ポータルサイト(SUUMO)等」』、『YouTube』、『Twitter』、などを参考にしていた。

 「その目的は、リアルな口コミや、動画や画像などを、確認すること」
 「さらに9割以上が、SNSやブログで収集した情報が『意思決定に影響』、と回答した」

 URL<https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000042.000031224.html>

 ここでいう「SNS」とは「ソーシャル・ネットワーキング・サービス」の略称で、「会員制交流サイト」「ネット交流サービス」など、社会的交流を構築するためのツールを意味しています。

 スタイルポートの上記「ニュースリリース」は、「Q1」から「Q10」までの10ブロックに分かれています。以下、各ブロックごとに、詳しく見ていきましょう。

[■■] マンションの購入・検討

◆Q1(質問1)
 あなたは、特定のマンションを具体的に「購入」あるいは「検討」した際に、どのような媒体を参考にしましたか。

◆A1(回答1)
 「不動産ポータルサイト(SUUMO)等」が52.0%、「YouTube」が51.0%、「Twitter」が47.0% 。

 私は、A1(回答1)を見て、二重に驚きました。最初の驚きは、「YouTube」がなんと2位に登場していたことです。

 さらに上位の3強、すなわち「不動産ポータルサイト(SUUMO)等」「YouTube」「Twitter」が、わずか1%〜4%程度の差で、「大接戦」を繰り広げていたからです。

 そしてこの3強を、以下に示す、多様な「メディア」が追いかけていました。

 「Instagram」43.0%
 「クチコミサイト」41.0%

 「TikTok」39.0%
 「チラシ」32.0%
 「ブログ」31.0%

 「テレビCM」27.0%
 「雑誌」27.0%
 「交通広告」23.0%
 「新聞」22.0%
 「本」20.0%

 「その他」12.0%

[■■]SNSやブログで収集した情報意思決定にどの程度影響したか

◆Q2(質問2)
 質問1で、「SNS(Twitter、TikTok、YouTube、Instagram)」、および「ブログ」と回答した方に、お聞きします。

 SNSやブログで収集した情報は、マンション購入時の意思決定にどの程度影響しましたか。

◆A2(回答2)
 「かなり影響した」57.2%
 「やや影響した」32.9%
 「あまり影響していない」7.1%
 「全く影響していない」1.4%
 「わからない/答えられない」1.4%

◆Q3(質問3)
 マンション購入に関して、特定のマンションを具体的に検討したとき、SNSやブログで情報収集を行った理由を教えてください。

◆A3(回答3)
 「リアルな口コミを見ることができるから」57.1%
 「動画や画像とともに情報収集できるから」52.9%
 「最新情報が表示されるから」52.9%

 「情報量が膨大だから」51.4%
 「コメントなどで直接質問することができるから」34.3%
 「SNSを見る頻度が多く、その流れで調べやすいから」27.1%

 「自分に最適化された情報が流れてくるから」25.7%
 「家族や知人などと情報をシェアできるから」21.4%
 「その他」4.3%

◆Q4(質問4)
 マンションの購入を検討した時に、SNSでは、具体的にどのような情報を参考にしたのかを、教えてください(自由回答)

◆A4(回答4、自由回答の一部を抜粋)
 41歳「住んでいる人の不満点」
 42歳「利便性や実際に住んでみてのメリット、デメリット」
 43歳「マンション評論」
 44歳「購入前の口コミと購入者の評判」
 47歳「周辺の価格相場」
 56歳「付近の24時間の環境、住み心地」
 56歳「周囲の環境」

◆Q5(質問5)
 あなたはマンション購入検討時に、「中古」や「賃貸」のマンションも検討しましたか。

◆A5(回答5)
 中古と賃貸の両方を検討した「57.0%」
 中古を検討した「28.0%」
 賃貸を検討した「3.0%」
 中古や賃貸は検討していない「12.0%」

◆Q6(質問6)
 あなたはマンション購入検討時に、マンションギャラリーに行きましたか。

◆A6(回答6)
 行った「90.0%」
 行かなかった「8.0%」
 わからない/答えられない「2.0%」

◆Q7(質問7)
 マンションギャラリーに行った際に、不満に思ったことがあれば教えてください。

◆A7(回答7)
 マンションギャラリーに足を運ぶのが面倒:50.0%
 マンションギャラリーでの説明時間が長い:45.6%

 訪問日時の調整や予約作業が面倒:41.1%
 検討したい部屋タイプのモデルルームがない:32.2%

 感染症予防のため外出を控えたかったが、訪問せざるを得ない:31.1%
 モデルルームのオプションが多く、検討したい部屋タイプの参考にならない:25.6%

 渡される持ち帰り資料が多い:20.0%
 何度もマンションギャラリーを訪問しなければならない:20.0%

 不満はない:10.0%
 分からない/答えられない:0.0%

◆Q8(質問8)
 具体的な購入検討物件に関して、情報収集・検討を行う際に、全ての部屋タイプをVRで内覧することができたら、購入時の意思決定がもっとスムーズにいったと思いますか。

◆A8(回答8)
 非常にそう思う:41.0%
 ややそう思う:47.0%
 あまりそう思わない:5.0%
 全くそう思わない:3.0%
 わからない/答えられない:4.0%

◆Q9(質問9)
 マンションギャラリーで渡される資料は、「紙」と「データ」のどちらが良いですか。

◆A9(回答9)
 データ:70.0%
 紙:25.0%
 分からない/答えられない:5.0%

◆Q10(質問10)
 あなたは、マンション購入時の説明をオンラインでも受けましたか。

◆A10(回答10)
 受けた:70.0%
 受けていない:28.0%
 分からない/答えられない:2.0%

細野 透(ほその・とおる)

建築&住宅ジャ─ナリスト。建築専門誌『日経ア─キテクチュア』編集長などを経て、2006年からフリ─ランスで活動。

東京大学大学院博士課程(建築学専攻)修了、工学博士、一級建築士。

著書に、『建築批評講座』(共著、日経BP社)、『ありえない家』(日本経済新聞社)、『耐震偽装』(日本経済新聞社)、 『風水の真実』(日本経済新聞出版社)、『東京スカイツリーと東京タワー』(建築資料研究社)、 『巨大地震権威16人の警告』(共著、文春新書)、『謎深き庭 龍安寺石庭』(淡交社)など。


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