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スペシャリストの眼

「斜め45度」の視点

2021年7月20日

第380回 コロナ禍での災害発生に備えて、マンション向け「防災マニュアル」を制作

 大和ライフネクストは、コロナ禍での災害発生に備えて、個々のマンションに合わせた、「オンリーワンの防災マニュアル」を制作するサービスを開始しました。

 同社は、マンション事業や住宅事業を手がける大和ハウス工業のグループ会社で、主としてマンション管理サービスを担当しています。

【■■】防災マニュアル制作サービスの特徴

 ①コロナ禍での災害発生に備えて、三密(密閉・密集・密接)回避に有効な「マンション在宅避難」を実現するため、個々のマンションに合わせた「オンリーワンの防災マニュアル」を制作する。

 ②マンションの在宅避難に「必須知識」となる、マンション設備の取り扱い方を説明する。

 ③「地震・火災・台風・停電」という災害別に、「個々のマンションに発生する状況」と「その対処方法」を説明する。

【■■】サービス提供の背景

 地震・火災・台風・停電などの災害が発生したとき、マンション居住者は「避難所で生活」するのではなく、マンションに留まって「在宅避難」することが推奨されています。

 これは、「避難所」とは、自宅の倒壊などによって生活困難になった人に向けて行政が開設するものであり、「避難所の収容人数」は限られているからです。

 そして、コロナ禍においては、感染症対策の観点からも、マンション居住者はマンションに留まって「在宅避難」する必要が強まるのです。

 しかしながら、ひとくちにマンション防災といっても、「家具の固定や消火器の設置」「食料や水などの備蓄品を自宅に備える」などの自助に加えて、「共用の防災備蓄品の把握」などが必要になります。

 また、災害発生時には、「マンションの設備が正常に機能しなくなる可能性」が高くなります。したがって、居住者全員が適切な知識を持って対処しなければ、「二次災害(漏水や火災による延焼など)」が発生する危険性もあります。

 地震・火災・台風・停電などの災害は、いつ起きるか分かりません。それゆえに、大和ライフネクストはンション管理サービス会社として、オンリーワンの防災マニュアルを提供することにしたのです。

【■■】マンション元気ラボコラム「『避難所へは行くな』

 大和ライフネクストが運営している「マンション元気ラボ」というウェブサイトがあります。これは「マンション管理」について考えるサイトで、有識者や実務者が「様々な意見」や「考え方」を発信しています。

 私がオススメしたいのは、マンション管理士の丸山肇さんが執筆したコラムです。

 タイトルは──「避難所へは行くな」、マンションなら“当たり前”

 予想を超える豪雨、続発する台風と、テレビをつけるたびに避難所生活の様子がニュースになっているような気さえする。「うちも大きな地震が来たら、すぐ避難所にいかないとね」と話し合っているご家庭も多いことだろう。

 しかし、ちょっと待って欲しいのだ。「木造住宅」と「コンクリート造のマンション」とでは、避難の方法が異なるからだ。マンション住民は避難所には行かず、被災生活期を自宅で送る、いわゆる「自宅避難」が今回のテーマだ。

 そして、以下の小見出しが続きます。

 ◇避難所へ行ったはいいが、そこからがサバイバル

 ◇マンションなら「自宅避難」できる

 ◇マンションの強みと弱み。それを知るのが防災の基本

 このコラムは面白いだけではなく、イザというときには必ず役に立つはずです。

 URL<https://www.daiwalifenext.co.jp/mansion-genkilabo/column/column-20190218_14.html>

細野 透(ほその・とおる)

建築&住宅ジャ─ナリスト。建築専門誌『日経ア─キテクチュア』編集長などを経て、2006年からフリ─ランスで活動。

東京大学大学院博士課程(建築学専攻)修了、工学博士、一級建築士。

著書に、『建築批評講座』(共著、日経BP社)、『ありえない家』(日本経済新聞社)、『耐震偽装』(日本経済新聞社)、 『風水の真実』(日本経済新聞出版社)、『東京スカイツリーと東京タワー』(建築資料研究社)、 『巨大地震権威16人の警告』(共著、文春新書)、『謎深き庭 龍安寺石庭』(淡交社)など。


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