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「斜め45度」の視点

2014年8月19日

第149回住友不動産が名古屋三大邸宅地で相次ぐ「話題作」

 名古屋三大邸宅地(白壁エリア、覚王山エリア、八事エリア)のうち、八事エリアにおいて、住友不動産が相次いで「話題作」の販売に乗り出した。

 まず、地元のトヨタホームと住友不動産による初のJV物件となる「アネシア八事高峯シティテラス」(140戸)。地下鉄名城線「八事日赤駅」から徒歩4分。山手グリーンロードを経て、高峯町の高級住宅街へと向かう道筋に位置する南斜面に、3棟の住棟をひな壇状に配置して、日照と眺望を確保した。

 エネルギー管理システム(MEMS)により消費量を10%削減。加えて、高圧一括受電により電気代を5%割り引く、名古屋初のスマートマンションとした。7月中旬に第1期販売(平均坪単価206万円)を実施済みで、今秋に第2期販売に移る。


 続いて、7月19日には、「グランドヒルズ春山」(28戸)のモデルルームを公開し、本格的な販売活動を開始した。第1期の平均坪単価は310万円超と予想される。敷地は名古屋市瑞穂区春山町で、地下鉄名城線「総合リハビリセンター」駅から徒歩9分。

 周辺は20世紀初頭に英国人エベネザー・ハワードが提唱した「田園都市構想」に基づいて、東部丘陵地を開発した高台。自然を分断しないように丘陵地の山の形を残し、道路や敷地面積を広めに確保することで奥行きのある景観を演出した、約90年にわたり熟成を重ねてきた邸宅地である。

 物件には以下の特徴がある。

 (1)独立性と開放感を併せ持つ三方道路に面している。

 (2)空地率70%、緑化率30%というゆとりあるランドスケープ。

 (3)全戸が南向き。

 (4)シャープで個性的な外観デザイン、格調高いエントランス。

 (5)プライバシーを重視した2戸1のエレベーター。

 (6)奥行き最大約 3.4m のテラスバルコニー。

 (7)専有面積は90.47?100.48 平方メートル。

 「グランドヒルズ」は住友不動産を代表する高級マンションで、東京白金、京都東山など厳選されたエリアで分譲。同社は名古屋でこれまで約80棟のマンションを分譲しているが、そのうちグランドヒルズはわずか7棟で、「春山」は5年ぶり8棟目の物件になる。


 参考までに、名古屋市内における「グランドヒルズ」の系譜をまとめておく。

 覚王山グランドヒルズ

  名古屋市千種区法王町、21戸、竣工平成9年3月

 南山グランドヒルズ

  名古屋市昭和区広路町、59戸、平成13年3月

 滝川グランドヒルズ

  名古屋市昭和区滝川町、201 戸、平成14年1月

 グランドヒルズ東山

  名古屋市千種区清住町、49戸、平成16年3月

 グランドヒルズ覚王山法王町

  名古屋市千種区法王町、106 戸、平成19年3月

 グランドヒルズ八事広路町

  名古屋市昭和区広路町、63戸、平成21年10月

 グランドヒルズ八事天道

  名古屋市天白区八事天道、66戸、平成22年1月

細野 透(ほその・とおる)

建築&住宅ジャーナリスト。建築専門誌「日経アーキテクチュア」編集長などを経て、2006年からフリージャーナリストとして活動。  東京大学大学院博士課程(建築学専攻)修了、工学博士、一級建築士。日本建築学会・編集委員会顧問。 ブログ『建築雑誌オールレビュー』を主宰。日経産業新聞『目利きが斬る・住宅欄』に寄稿。  著書に、『建築批評講座』(共著、日経BP社)、『建築家という生き方』(共著、日経BP社)、 『ありえない家』(日本経済新聞社)、『建築産業再生のためのマネジメント講座』(共著、早稲田大学出版部) 、 『耐震偽装』(日本経済新聞社)、『風水の真実』(日本経済新聞出版社)ほかがある。


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