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2022年3月8日

第395回 東京カンテイが「タワマンの供給動向とストック数」を調査

 不動産の総合コンサルティング会社である「東京カンテイ」は、2022年1月31日、「2021年タワーマンションのストック数(都道府県)」に関するプレスリリースを公表しました。少し長めのタイトルがついています。

 全国でのタワーマンションのストック総数は、「1427棟、37万5152戸」。

 2021年には42棟・1万1768戸が竣工。

 東京都で11棟、大阪府で9棟。ともに3000戸超。

 その要旨を、以下にまとめました。なお、「タワーマンション」とは、最高階数が20階以上のマンションを意味しています。

 リリースのURL<https://www.kantei.ne.jp/news/release/988>

[■■]タワーマンションの地域別ストック総数

 ◆3大都市圏のストック総数
 首都圏 760棟、23万2477戸
 中部圏 91棟、1万4214戸
 近畿圏 369棟、8万9324戸

 首都圏のストック総数は760棟と、全国シェアの過半数を占めています。

 ◆首都圏のストックの割合
 東京都 458棟、14万6300戸
 神奈川県 139棟、1万9608戸
 千葉県83棟、2万3897戸
 埼玉県 80棟、1万9608戸

 東京都のストック総数は458棟と、首都圏の約60%を占めています。

 ◆中部圏のストックの割合
 愛知県 62棟、9634戸
 静岡県 26棟、4044戸
 岐阜県 3棟、527戸

 ◆近畿圏のストックの割合
 大阪府 255棟、6万3951戸
 兵庫県 94棟、2万0972戸
 滋賀県 12棟、3167戸
 和歌山県 5棟、775戸
 京都府 3棟、459戸

 大阪府のストック総数は255棟と、近畿圏の約69%を占めています。

[■■] タワーマンションの地域別ストック総数

 2022年の竣工予定戸数は、「全国で33棟、8711戸」
 首都圏 12棟、4653戸(東京都が3728戸)
 中部圏 2棟、585戸
 近畿圏 8棟、1614戸(大阪府が1614戸)

 東京都に12棟、大阪府に8棟と、タワマンは大都市にますます集中することになりそうです。

[■■] 「新築・中古マンションの市場動向レポート(2021年第4四半期)」

 「東京カンテイ」は、「2021年タワーマンションのストック数(都道府県)」に関するプレスリリースを公表した翌日、すなわち2022年2月1日に、「新築・中古マンションの市場動向レポート(2021年第4四半期)」を発表しました。

 ◆全国
 「全国の新築供給戸数--第4四半期は2万0939戸、直近では最も低い水準」

 ◆首都圏
 「新築マンション坪単価--第4四半期は前期比-4.2%の345.6万円」

 ◆近畿圏
 「新築マンション坪単価--第4四半期は前期比+12.5%の281.6万円」

 ◆中部圏
 「新築マンション坪単価--第4四半期は前期比-0.2%の245.0万円」

 このように、首都圏ではかなり厳しい数字が報告されています。プレスリリースの下の方に掲載されている、動画形式の「カンテイchannel」に登場する解説者は、「その原因は『HARUMI FLAG』が周辺相場よりかなり割安な価格で供給されたこと」と説明しています。

 ◆HARUMI FLAGの「価格と間取り」

 『HARUMI FLAG』の「価格と間取り」に関しては、SUUMOに掲載されたデータを、紹介しておきましょう。

 URL<https://suumo.jp/ms/shinchiku/tokyo/sc_chuo/nc_67716574/rooms/>

細野 透(ほその・とおる)

建築&住宅ジャ─ナリスト。建築専門誌『日経ア─キテクチュア』編集長などを経て、2006年からフリ─ランスで活動。

東京大学大学院博士課程(建築学専攻)修了、工学博士、一級建築士。

著書に、『建築批評講座』(共著、日経BP社)、『ありえない家』(日本経済新聞社)、『耐震偽装』(日本経済新聞社)、 『風水の真実』(日本経済新聞出版社)、『東京スカイツリーと東京タワー』(建築資料研究社)、 『巨大地震権威16人の警告』(共著、文春新書)、『謎深き庭 龍安寺石庭』(淡交社)など。


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